オリーブオイルソムリエ

2012/11/18 オリーブオイルセミナー@「tu sei grandeトゥセイグランデ」Vol.5

トゥセイグランデでのセミナーも第5回目となりました。
今回は中級編。初回の開催後からずっとご要望を頂いておりましたが、今回初めて実現致しました。初級編を受講して
下さった方を対象にした、非常にコアなセミナーでした。

        

中級編と言っても難しくなるわけではありません。より具体的、より実践的な内容です。
オリーブには様々な品種がありますが、その代表品種の特徴をご説明。実際に店頭で購入するとき、ラベルのど
こを見ればヒントがあるか。最近注目の有機栽培について。そして、料理に合わせる時はどこに着目し、どんな
手法があるか。などです。

        

テキストの講義後はいつものようにオイルテイスティングですが、中級編ということで数も増やし、種類も難
しく致しました。

ラインナップは以下です。LuceVerdeのポリシーで、商品名や写真は載せません。

1.モリーゼ州カンポバッソのブレンドオイル。アーティーチョークなどが香るのに味はマイルドです。またこれ
をインポートしている方の心意気が素晴らしいのです。エクストラバージンオイルを生鮮食品と心得ていらっし
ゃる方です。
2.シチリア州アグリジェントの単一品種のオイル。残念な状態。元々は良かったと思われます。
3.シチリア州トラーパニのブレンドオイル。この夏、農園にお邪魔しました。素晴らしい農園、そしてオイルです。
4.ラツィオ州ソンニーノの単一品種のオイル。単一とは思えないほどの香りと味わい。素晴らしいオイルです。
5.輸入オイルを日本でボトリングしているオイル。残念な状態。

初級編では、オイルの違いがわかりやすいラインナップにしています。が、今回はそうした差はつけませんでし
た。同じカテゴリーに属するオイルが隣同士に並びました。これはやはり難しかったと思います。

だだ、オイルの香りを取り、味わい、それを表現することには皆様さすが慣れてきたご様子。思わずなるほど、
と思う表現をなさる方も。
これは嬉しい驚きでした。他の皆様も初級をクリアなさっている方は、以下の2と5を即判別していらっしゃいま
した。目に見える進歩ですね。

     

そして、テイスティング後は食事のスタートです。
上記1、3、4番のオイルを使って堤シェフにお料理を作って頂きました。

メニュー決めは、私がオイル候補を持ち込むところから始まります。堤シェフが香りを取り、食材を決め、調理
法を決めるアシストを私はします。感度が非常に高い堤シェフとのこの時間、とても楽しく素晴らしい時間です。

今回も使用したオイルは秘密に。
「全問正解者にはペアディナー」という堤シェフの言葉に沸き立ちます。
ただ、今回はとても難しいのです。オイルに差が無いということは、料理に使っても難しいのです。
結局、昼の部も夜の部にも残念ながら全問正解者は出ませんでした。

前菜。
3品にそれぞれ違うオイルを使っています。
左。自家製プロシュートコットとホウズキ。
右。鯵のインボルティーニ。焼きナスのマリナード添え。1番のオイルが寄り添います。
中。北海道の白子のグリルが浮かんだ蕪のズッパ。
美味でした!シェフはオイルテイスティング時、3番のオイルに蕪の香りを感じたそう。確かにあの辛みのある
葉の香りがこのオイルからはするのです。

        

パスタは、下仁田ネギとチリメンキャベツのプリアのオレキエッテ。
ネギの甘味と辛み。1番がよく合っていました。

夜の部にはもう1種パスタを。イタリア産の栗とリコッタチーズのトルテッリ。ソースはバルサミコとゴルゴン
ゾーラ。
まろやかな甘さのこの品を3番のオイルがキリッと締めています。

     

メイン。蝦夷鹿ロースのアッロスト。山ブドウのソースとビーツトプヂヴェール添え。
これには文句なく4番。この山ブドウ、シェフのご親戚が山で採ったものだそうです。


ドルチェ。
アマレットとクルミのセミフレッド。
アマレットの独特の香り、胡桃の苦味に合ったのは4番。一般的には非常に強いタイプには分類されません。ただ、
今回のラインナップの中では、最も強いタイプでした。

  

これと共にコーヒーやエスプレッソを頂きながらセミナーとお食事は終了です。


今回も素晴らしいお料理でした。強い味付けや料理法を避け、食材とオイルを調和させる料理。さすがです!
昨年の11月から5回、昼と夜の開催ですが、延べにしたら10回です。これだけ回を重ねることが出来たのは堤シ
ェフの料理があってこそです。

そして、ご参加下さる皆さまのお蔭です。

オリーブオイルソムリエには勉強すればなれます。しかし、こうしてセミナーを重ねて開催できるソムリエにな
れたのは皆さまのお蔭です。ありがとうございます。
更に充実したセミナーを開催できるよう、今後も努力してまいります。


今回も参加者の皆様には協賛のパリラ・ジャパンから嬉しいプレゼント。
是非ご自宅で美味しいオリーブオイルと、美味しいパスタを作ってください。

  

ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。
また、次のセミナーや自宅での料理教室でお会いできること、楽しみにしております!

いつもであれば、ここで次回グランデセミナーの開催予告ですが、今回は残念ながらそれが出来ません。

実は、トゥセイグランデは12月一杯でのクローズが決まっています。堤シェフは独立し、学芸大学にご自分のお
店を持ちます。

  

写真はグランデから、駒沢公園を眺めたショット。
この駒沢公園の緑を感じるグランデ。とても素敵な雰囲気の店のクローズは私も非常に残念です。
が、堤シェフが新しい、大きな一歩を踏み出すことが決まり、とても嬉しくもあります。新しい店のコンセプト
やレイアウト、メニューの例を伺ってワクワクしています。

この門が、La porta fortuna(幸運をもたらす門)でありますように。

そしてまた堤シェフの新しい店で、オリーブオイルのイベントをしたいと思っています。お楽しみに!

  

~ご協力頂いた方々~

Tu sei grande トゥセイグランデ 私のレストランセミナーの原点です。心から感謝致します。
Barilla Japan 調理用・お土産用共にパスタ提供、ありがとうございました。
il Bianco イル・ビアンコ オイル提供、ありがとうございました。オイルへの情熱これからも持ち続けて下さい。微力ながら応援致します。