オリーブオイルソムリエ

201274/18 オリーブオイルセミナー@「tu sei grandeトゥセイグランデ」Vol.4

駒沢公園の向かいにある美味しいリストランテトゥセイグランデにてオリーブオイルセミナーを開催致しました。
今回も多くの方にご参加頂きました。昼の部にはキャンセル待ちを頂くほどの盛況。ご参加下さった皆様、ありがとうございました!

        

今回のテーマは私も大好きな「シチリア」。シチリアの歴史やエピソードを交えたお話から講義スタートです。

オリジナルテキストを使用し、歴史、現代、品種、グレード、健康との関連等のオリーブオイルの基本知識を学んで頂きます。
DOP、脂肪酸の種類、オイルにおける酸度・酸化、などの話もします。

また世の中に「残念なオイル」が多く出回っていること、そしてなぜ残念な状態になってしまうのか。オリーブオイルを購入する
上でのヒントもお話します。

     

テキストの講義が終わり、オイルテイスティングです。もちろんシチリアのオイルが中心です。

今回は昼・夜の部共にテイスティング経験者がかなりいらっしゃいました。
それでも「違いはなんとなく分かるけれど、表現が難しい」という声がほとんどです。
やはり、感じたことを言葉にしてしかも、具体的に表現することは難しいことですね。

テイスティングが終わり各オイルの感想をお聞きした後は、各オイルについての詳細をご説明します。品種や特徴、こだわって
いる点など。今回は以下です。
1.シチリア州トラーパニの生産者の、単一品種のオイル。とても美味しいオイルです。
2.シチリア州ラグーザの、単一品種のオイル。これもとても美味。
3.シチリア州アグリジェントの、これまた単一品種。やはり美味しいオイルです。
4.トスカーナ州の残念なオイル。

意図したわけではありませんが、単一品種が揃いました。皆様が驚かれたのが、1と3番が同じ品種であること。味わうとこれが
正反対の性質を持つオイルなのです。
これもオリーブオイルの面白さです。

セミナーに使用するオイルですが、テイスティングをし易いこと、お料理に変化が付きやすいこと、主にこの2つの観点からオ
イルをチョイスしています。

以前のセミナー記事をご覧になった方から、使用オイルについてご質問がありましたのでここでご説明します。
セミナーではもちろんオイルの詳細をご説明していますが、残念なオイルも使用していますので、情報が一人歩きしがちなHP等
では公表を控えています。どうぞご了承ください。

そして、テイスティング後は食事のスタートです。
上記1~3番のオイルを使って堤シェフにお料理を作って頂きました。

堤シェフから、お待ちかねのお料理を説明を頂きます。

が、前回に引き続き、今回もどの料理にどのオイルを使ったかを参加者の方々に考えていただくため、使用したオイルは秘密に。
「全問正解者には良いことがあるかもしれません」という堤シェフの言葉に、皆様がぜん真剣に。

前菜。いきなりの美味しさに、驚き交じりの感嘆が。「どのオイルを使っているかなんて考える余裕がない」と皆様。
2品にそれぞれ違うオイルを使っています。
左。白桃と水牛のモッツァレラのカプレーゼ。フルーツの香りを多く感じられる2番のオイルを使用しています。
右。賀茂ナスと鯵のオーブン焼き。ナスを切った時の香りもする1番のオイルを使っています。
中。パネッレと自家製ラルド。

  

パスタは、昼の部は1種類。柑橘とナッツ、カラスミのふりかけがたっぷり掛かったシチリア風スパゲッティ。
シチリアの夏を感じる爽やかで、でも海の香りがする一品です。使ったオイルはやはりフルーツの香りがするオイル。
柑橘の苦味とオイルの辛みとまろやかさが、非常に良いバランスです。

夜の部にはリゾットも。緑鮮やかなジェノヴーゼ。このバジルは我が家の菜園で育てました。もちろん無農薬です。

香りが高いバジルに合わせるオイルは、無理させず柔らかな1番。
上に乗っているのはグレープフルーツ。シチリアのジェノヴーゼリゾットにはこうしてグレープフルーツを乗せることが
あるそう。まったりしがちなジェノヴーゼに爽やかなアクセントです。

     

そしてメイン。シチリアでよく食べらている仔羊のアグラッサート。これには苦味辛みの強い3番のオイル。
シェフ曰く、オイルを掛けると味が劇的に美味しくなったそうです。
これはオイルのスパイシーな香りがハーブのような役目をし、仔羊の強さを和らげるのです。

もともと丁寧な仕事をする堤シェフは、仔羊のような強い素材も食べやすい料理に仕上げことが得意な為、仔羊は今の
シーズンよく登場します。
今後、仔羊が登場したら、シェフはきっとこのオイルを添わせることでしょう。

セミナーは参加してくださる人が勉強する場ではありますが、当然のことながら講師である私はそのためにとても勉強します。
そして、実はシェフもこうして学んでくださっている場なのです。この場に居合わせたすべての人が高めあう・・・
楽しみながら高めあう。素晴らしいことですよね。


さて、どんなに満腹でもドルチェは大好評。

アーモンドを使ったビアンコマンジャーレには甘夏のマルメラータ。シチリアのブラッドオレンジのジェラート。
これにもオイルを使用しています。アーモンドの香りを感じる1番のオイル。

コーヒーやエスプレッソを頂きながらセミナーとお食事は終了です。

ちなみに、使用オイルのクイズ。
全問正解者は昼の部は1名。夜の部は1問不正解の方が3名。夜はパスタが1品多くしかも難しいお皿でしたので、
これは仕方のないことでしょう。
正解の方々には、良いことが堤シェフからもたらされるはずです。

今回も素晴らしい料理の数々でした。オイルを生かし、料理を引き立て・・・。絶妙です。
そして、参加者の皆様がオイルの違いをより感じられような調理法と味付け。この配慮が素晴らしい!
癖になります。またセミナーしたくなります。
秋にまた開催の予定です。

  

そして、今回も参加者の皆様には協賛のパリラ・ジャパンから嬉しいプレゼント。
イタリアではとても有名なブランドですが、最近では身近なスーパーでもバリラ商品を多く見かけるようになりました。
皆様おひとりつづに、ブルーのバッグに入ったリゾーニ、バジルペースト、スパゲッティーニをセットしてお持ち帰り頂きました。
是非ご自宅でお使い下さい。

  

ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。写真掲載も承諾頂き、ありがとうございました。
また、次のセミナーや自宅での料理教室でお会いできること、楽しみにしております。

そして堤シェフ、今回も素晴らしい料理の数々を本当にありがとうございました。

  


~ご協力頂いた方々~

tu sei grande こんなに素晴らしいリストランテでセミナーが出来ること、本当に感謝しています。
Barilla Japan パスタ提供、ありがとうございました。
A_ikedaさん。良い写真をありがとうございました。