過去に2度セミナーでお邪魔しておりました秋田市内の人気カフェ「米カフェ」が、この春「ルセット」として生まれ変わりました。

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その2階にあるキッチンスタジオ「アトリエ ルセット」でのオリーブオイル&料理セミナーのご報告です。

過去2回は私はセミナーだけ担当し、料理に関しては全てシェフにお任せしておりましたが、今回は、主催者であるこの「アトリエ ルセット」オーナー米本かおり氏からのご依頼で、料理レッスンとなりました。
5/16の夜、5/17の昼の2回開催。
共にご参加者は「アトリエ ルセット」の料理クラスの生徒さんが中心でした。

メニューは秋田食材を使ってのお料理のリクエスト。



lecetteもちろん先ずは、オリーブオイルセミナーからスタート。
普段より短めにした入門編をお話したのちに、4種のオイルをテイスティング頂きました。

 

今回使用したオイル
  1. シチリア州トラーパニ。この地域の品種ビアンコリッラ単一のマイルドなタイプのオイル。
  2. シチリア州キアラモンテグルフィ。薫り高い品種トンダ・イブレア単一のオイル。
  3. 残念なオイル。
  4. トスカーナ州キァンティ・クラッシコのコレッジョーロ種単一の辛みも奥行もあるオイル。

オイルテイスティングは初めて。と言う方がほとんどでしたが、オイルをしっかりと見極め的確に表現なさる方が両日ともいらっしゃいました。さすが、料理をいつもなさっている方は違います。

テイスティング後は料理レッスンです。
キッチンスタジオに移動し、デモンストレーションを見学して頂きました。

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デモンストレーションは真鯛のアクアパッツァと、秋田の野菜を使ったスパゲッティ。

 



素晴らしいアシスタントさんがいらして、
一度必要な物をお伝えしただけで、完璧に整えて下さいました。

 

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レシピはいつもように簡単なものばかり。
でも、ちょっとしたコツがもちろんあります。

親しくさせていただいている素晴らしいシェフからのアドバイスを頂いたものや、イタリア滞在中にマンマに教えて頂いたことなどのレアな情報やコツをご説明しながらデモンストレーションします。

慣れないキッチンスタジオでのデモンストレーション、特にパスタは全員の試食分を一気に作るという事で、オペレーションを懸念しておりましたが、素晴らしいアシスタントさんのサポートがあり、無事に調理終了です。

以下が、今回のメニューです。

 

前菜:薫り高い2番のオイルをたっぷりと使ったトマトのマリネ

このオイルはトマトの葉の香りがするのです。非常にトマトと相性が良いオイルです。ここに新玉葱を加えて。

前菜:秋田の山菜「シドケ」と「アイコ」のフリット

シドケは山菜の王様の位置付けになるほど希少価値がある山菜で、山菜名人だけが採れるようです。これが自生する場所は内緒とのこと。まるでマツタケやトリュフのようですね。
フリット生地は学芸大学の「リ・カーリカ」堤シェフから教えて頂いたもの。冷めてもカリッと。

プリモ(パスタ):仁井田青菜のスパゲッティ

菜花に似たこの癖のない青菜を、ソースとして絡めます。イメージしたのはチーマ・ディ・ラーパ。
沿えたのはシチリア風にカラスミと、レモンの皮をちょっぴり。
これは、毎年のように行っているシチリア州トラーパニで覚えたもの。
とは言え、スーパーにある食材を使うのがLuce Verdeのモットーです。南の地方で良く使われているモリーカ(パン粉)を秋田のしょっつるでアレンジし、2色を比べながら召し上がって頂きました。

セコンド(魚料理):真鯛のアクアパッツァ

ドライトマトやケッパーやあさりなどを使わず、伝統的なアクアパッツァにこだわりました。
もとは漁師さんが船の上で海水を使って作ったといいます。
良い魚があれば、その出汁で十分です

ドルチェ:ブランマンジェ

これはシェフが作って下さいました。ここに、4番のオイルを掛けて頂きます。
「平坦だった甘味が、オイルを掛けることで起伏が出来、複雑な味になりますね」
とは、ご参加者の言葉。正にその通りです。


以上が、秋田でのセミナー&料理レッスンのご報告です。
ご参加下さったみなさま、どうもありがとうございました!

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今回、食べたことの無い秋田の食材を使ったレシピということで、かなり悩みました。

一旦決めても、山菜は本当に自然の産物です。
「例年ならばこの食材があるのですが・・・」と、変更も何回か。

知らない事、変更が重なった事で、本来ならば非常に難しいイベントでした。
これがスムーズに運びましたのは、一重にスタッフの皆様のお陰です。ありがとうございました。
そして、この機会を下さった米本氏に心から感謝致します。