秋田県秋田市にあります、米カフェにて、オリーブオイルセミナーの講師をして参りました。
昨年秋のセミナーがご好評頂き、第二回目の開催となりました。

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今回は中級編。初めてご参加される方には中級編の直前に初級編も受けて頂くという、まさにオリーブオイル漬けの一日を過ごして頂きました。

先ずは入門編。米カフェを経営する料理研究家の米本かおり先生の、キッチンスタジオが会場です。

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1時間弱のお話は、収穫から搾油まで、オリーブオイルの成分、健康との関連。そんなお話をいつものように致します。
「へー、そうなんですか!」と所々に驚きの声が上がります。そうです。オリーブオイルについて知らないこと、思い込んでいることは実は沢山あるのです。

 

 

 

 

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テイスティングでも驚きの声が上がります。「オリーブオイルがこんなに香りが良いなんて!」と。とても感度の高い皆様でした。

 

 

 

 

 

 

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初級編が終わったら、次は中級編。雪が積もる中、すぐ近くにある米カフェに移動です。

 

 

 

 

 

今回の中級編は初級編からの方と前回のご出席者とで20人を超す方にお集まり頂きました。雪の中、本当に有難いことです。
中級編は、やはりオリジナルのテキストを使いますが、難しくなっていくわけではありません。
初級でオリーブオイルについて基本的な知識を学んで頂いた後の実践編という位置付けです。代表的な品種のこと、産地のこと。
そして皆さんが一番知りたい事。どこに着目して買ったら美味しいオイルが買えるのか。料理にどう合わせると良いのか、等の生活にすぐに生かして頂ける内容です。これにプラスして有機栽培についてもお話ししました。

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テイスティングオイルは、今シーズンのオイルです。11月にイタリアで搾油されたものです。新鮮で、香りも味わいもキリッと素晴らしいオイルです。これと、前シーズンの同オイルを比較するというテイスティングをして頂きました。

 

 

今回使用したオイル
  1. ラツィオ州のブレンドオイル。DOPサビーナです。先シーズンのもの。
  2. トスカーナ州シエナのブレンドオイル。甘味と辛みを交互に感じることが出来る、素晴らしいオイルです。
  3. 2番のオイルの今シーズンのもの。さすが、香りも味も強く、パンチがあります。
  4. ポルトガルの単一品種。DOPですが、残念な状態。出荷時には質は良かったと思われます。輸送、保管状態が残念な状態に
  5. 1番の今シーズンのもの。ピリッとシャープな香りと味わいです。今回のラインナップの中で、最も辛かったのがこのオイル。

今回も感じました。大地に触れる生活をしている方々は、テイスティング力が高いと。
初級編にご参加の、オリーブオイルを初めて口になさった方も、欠陥オイルは即座に吐き出してらっしゃいました。

当たり前では?と思われるかもしれません。ところが、都内のレストランでセミナーでは、半数以上の方が見分けることが出来ないのです。
中級編では、5種類のテイスティングですからかなり難易度が高くなります。それでも、欠陥はかなり多くの方が即座に判別。
そして、前シーズンと今シーズンの同一オイルと分かる前から同じオイルを好きと感じた方も。素晴らしい感性ですね。

さて、テイスティング後はお待ちかねのお食事です。米本先生からメニューのご説明を頂きました。米本氏と米カフェの須田シェフのお二人で考えたメニューです。

今回もメニューを予め頂きましたが、初めて聞く食材もあり、期待で一杯でした。

前菜:前菜3種盛り合わせ

先ずは前菜の盛り合わせから。全てに5の最も辛いオイルを使っています。

  1. あさりとひろっこのマリネ。ひろっこはアサツキとエシャロットの中間のようなお味です。これがマリネされているのですが、やはり葱系ですから味は強く、強いオイルと合いました。
  2. 寒ブリの冷燻のカルパッチョ。ほんの軽く燻製された乗ったブリと、キリリとシャープなオイルは非常に相性が良い組み合わせでした。
  3. きたあかりとゴルゴンゾーラ。ラズベリーのはちみつと甘味と辛いオイルのソースが馴染みます。

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セコンド(魚料理):ブイヤベース。比内地鶏のアイヨリ添え。

写真からは、しっかりしたお味のように見えますが、とても柔らかな味わいのスープです。だからこの皿には、新油では無く先シーズンのオイルを。そしてここにアイヨリを加えると、コクが増します。
そして、今回も秋田を代表する食材、しょっつるが入っています。前回も思いましたが、しょっつるとオリーブオイルは本当に良く合います。魚の発酵食品です。イタリアでもガルム、コラトゥーラといった魚醤がありますね。しょっつるがオリーブオイルに合うのは、不思議ではないのです。

セコンド(肉料理):八幡平(はちまんたい)ポークと野菜のブレゼ

ブレゼとは、フランス料理の用語で、蒸し煮のこと。
秋田県と岩手県にまたがる八幡平で健康に育った豚肉と、根菜類の蒸し煮。
これには、2番のトスカーナ州シエナのブレンドオイル。複雑性と奥行きのあるオイルですから、豚肉と根菜類にはぴったりです。

ドルチェ:オリーブオイルを使ったシフォン。マチェドニア添え。

シンプルなシフォンを食べると、ほんのりのオリーブオイルの香りがします。これはシェフではなく、米本先生作です。やはりシンプルだからこそオリーブオイルの香りを感じることが出来るのです。そして、マチェドニアにもオリーブオイルが使われています。


今回も、ご参加の皆様と素晴らしい時間を共有できました。前回参加の皆様も多くいらして下さり、見知った顔を見ながらのセミナーはやはり気持ちが違います。

実は、この日は秋田は暴風雪の予報でした。羽田からようやく飛んだ飛行機も、秋田空港になかなか着陸できないというハプニングも。ご参加の方々から、私がこのシーズンに秋田に出向いたことを感謝されました。でも、感謝するのは私なのです。
真剣に講義をお聞き下さり、そして美味しい料理と会話を楽しんで頂いているご参加の皆様の笑顔は、忘れられません。
冬の秋田。寒さ厳しく、でもとびきり温かい、そんな秋田でのセミナーは盛況のうちにお開きとなりました。

再び、私をこの場に導いて下さった米本先生に感謝致します。

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ご協力頂いたみなさま
  • 米カフェ:須田シェフ始め、スタッフの皆様。ありがとうございました!