一昨年の開店直後から大人気、予約が取れないほどの人気店、白金高輪のTarantella-da-luigiタランテッラ・ダ・ルイジにてオリーブオイルセミナーを開催致しました。

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寺床オーナーシェフは、6年以上もイタリア各地のピッツェリアやレストランで修業、いえシェフとして働いていらした方。各地の料理文化に造詣の深い方です。ピッツァはもちろんのことその他のお料理もとても美味しく、このお店には何度も通っています。
そんなお気に入りのお店、業界でも注目の実力ある寺床シェフとコラボできた念願のセミナーです。

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人気店ゆえ、セミナーのお知らせ後あっと言う間に満席です。22席だったところを26席まで増やしました。本当に多くの方にご参加頂き、皆様にオリーブオイルについてのお話をする機会を得られましたこと、お礼申し上げます。
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今回は初めてのご参加の方が半分ほど。
講義は基礎を踏まえつつ、この秋のイタリアでのオリーブオイル収穫搾油の旅行で体験したお話しを交えながら進めます。

まだ記憶が新しく、お話ししているとその時の感動がよみがえります。素晴らしい生産者たちの思いを少しでも多くの方に伝えたい。そんな気持ちからつい話に熱が入り、通常のレストランセミナーでの講義時間をオーバーしてしまいました。

テイスティングです。
秋の旅行で訪ねた生産者のうち、2社のオイルも入っています。
この2社のオイルも本当に素晴らしく、この秋の旅行は彼らに会い、その農園と搾油を見ることが目的でしたので、旅行前からルイジセミナーでこの生産者たちのオイルを使うことを決めていたのです。きっと、美味しいオイルを皆様にご紹介しながら、それを作る方たちのお話も出来ると。

今回使用したオイル
  1. イタリア ロンバルディア州デセンツァーノ この土地の品種カザリーヴァを中心としたブレンド。DOPガルダ・ブレシャーノ。穏やかだが爽やかさも持つ香り、味わいはまろやかでほんの少し辛みを感じる。
  2. イタリア サルデーニャ州オリエーナ 土地の品種ボザーナ単一。有機栽培の畑には樹齢何百年ものオリーブの樹。香りは強く、味わいもキリッと辛みを感じる。
  3. 残念なオイル エキストラバージンオイルの表記だが、エキストラバージンオイルにあるはずの好ましい香りや味わいは全く無い。
  4. イタリア トスカーナ州マレンマ 数種のブレンド。トスカーナのオイルらしい辛みと苦味を持つ、強いタイプのオイル。
  5. イタリア トスカーナ州トレクアンダ 2013年秋に搾油したばかりのノヴェッロ。モライオーロ単一。絞りたての香りと、濃い緑の見た目とはうらはらにとてもマイルドなオイル。

テイスティング何度目かの方には、香りや味わいの感想をお聞きしますが、今回は初参加の方にも質問を投げかけましたが、さすが美味しいものをいつも召し上がってらっしゃる方はテイスティング初体験でもきっちり感想を述べて下さいます。
好みもいつもお聞きしていますが、今回は割れました。全てに同じくらいの数の手が挙がりました。
これは、オイル選択をした者としては嬉しい事です。これらのオイルはいずれもとても質の高いオイルですから。

 

そしてこれらのオイルを使ったお料理の説明が寺床シェフからあります。

通常、オリーブオイルセミナーで使うオイルは、私が持ち込む候補からシェフにテイスティングして頂き決める形をとっていますが、今回はこれらのオイルを使いたいと最初からお願いしていました。

「お任せします。指定して下さったものを使って、セミナーの趣旨に合った料理を作りますから」と、快諾して下さった寺床シェフ。
実力に裏付いたこのお言葉。流石です。

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さて、そんなお料理の数々のスタートです。

先付:サルデーニャのレコードパンに乗せた自家製ボラのカラスミ バターローストアーモンド オレンジの香り

サルデーニャは寺床シェフがいらした場所。
同じくサルデーニャのオイル・・・ではなく、1番のガルダ湖のオイルを掛けて頂きます。
2番のサルデーニャのオイルは香りも辛みも強いため、カラスミとぶつかり合ってしまいます。ガルダ湖の優しいオイルがカラスミの味わいを引き立てると同時に、カラスミの強い部分を和らげてもくれます。
素晴らしい先付。
最初からですが、これが今回のアッビナメント大賞です。

スープ:赤レンズ豆のスープに浮かべた仔牛の胸腺とピエモンテ産フレッシュポルチーニ

豆のスープと言えばトスカーナ。
文句なく4番のオイルが合います。
乗った仔牛と、バルサミコでソテーしたポルチーニを贅沢に楽しみます。甘味のあるまったりした豆のスープや胸腺を、4番のとても強いオイルが食材に負けることなく引き締めます。

前菜:ポレンタとイタリア産黒トリュフ、白子のクレーマ

贅沢過ぎる一品。これを締めているのが、なんと柚子。
ここ、強い香りとキリッとした辛みの2番のオイルがスパイスになります。柚子を使うのならば2番のオイルしか考えられません。
今思い出しましたが、2番のオイルの農園にはワイルドフルーツも自生しているとのこと。それを寺床シェフはご存じだったのか、はたまた偶然か。
一番下にはジャガイモ。全て混ぜて頂くと、初めて食べる味わい。そして美味!流石の一品です。

プリモ(パスタ):ペンネリガーテ チリエッジャとバジル

本当にシンプルなペンネリガーテ。
これがまた美味!トマトの甘味とパスタの甘味、そして少しの塩味。
ここにも2番のオイルを掛けて頂きます。甘味あるパスタに少しの辛み。これもやはり2番のオイルが最も合います。

プリモ(リゾット):イタリア米カルナローリ、栗とブルターニュ産鴨胸肉ミルトの香り

これには当然4番のトスカーナのオイル。
米と栗の単純な甘味に苦味が添えられ、鴨の油を辛みですっきりさせる。そして添えられた生のミルトと張り合う。
これも素晴らしいアッビナメントでした。

プリモ(ピッツァ):ピッツァ・マルゲリータ

定番のピッツァ。
一人一切れづつ頂きました。このピッツァが出てくるまで、ここがタランテッラ・ダ・ルイジであることを忘れていました。
やはりルイジのピッツァは美味しい!
普段より軽く感じましたが、コース料理の中で頂くピッツァとして特別に仕上げて下さったのかもしれません。

セコンド(肉料理):色々なお肉のボッリート

牛タン、鶏、豚。
これには、色々なソースを付けて食べる趣向でした。

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バニェット・ヴェルデ、桃のソース、マスタードなど。
中には初めて頂くソースも。

ドルチェ:ババ 金柑のコンポート ザバイオーネソース

ナポリ伝統のババも、今日はオリーブオイルセミナー料理の最後を飾るおしゃれなドルチェに変身です。


LuceVerde美味しいお料理とそれを囲む楽しい方々。初対面同士であってもお話が弾んでいました。こうして友達の輪が広がってゆくのを見るのも、セミナー開催の醍醐味です。




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このテーブルは、自宅や出張料理レッスンにいらして下さっている方と、そのご家族やご友人。
オリーブオイルにあまり興味をお持ちでなかったご主人が、真剣に参加している様子が嬉しかったとお言葉を頂き、私もとても嬉しく思いました。


オリーブオイルは日頃から良い物を選び、日々召し上がって頂きたいといつも思っていますので、こうしてご家族の理解を得られる事はとても大きなことです。


今回の大人数でのセミナー、ご参加の皆様に楽しんで頂けたのは、もちろん寺床シェフの美味しいお料理が一番ですが、それを支えて下さるスタッフたちあってこそです。ありがとうございました。

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お出かけ日和の季節の週末。貴重なお時間を割いていらして下さった、ご参加者の皆様、本当にありがとうございました。

 


ご協力頂いたみなさま