新緑の目黒川にほど近いトラットリア「タルトゥーカ」で第3回目のセミナーを開催致しました。
気温は2か月も逆戻りした本当に肌寒い一日でしたが、お食事が始まる頃には店内は笑い声と熱気に包まれ、とても暖かな時間を過ごしました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
目黒の激戦区にありもう11年のタルトゥーカは、藤澤シェフが作る安定した美味しさのイタリアの郷土料理を、和やかなマダムが醸し出すゆったりした空間で頂けるのが魅力です。
藤澤シェフの、素材そのままの味を活かす飾らない料理は、オリーブオイルもダイレクトに味わう事が出来ます。

 

同じ店で3回目のセミナーではありますが、初めての方が半数。使ったテキストは今回も入門編です。
オリーブオイルが作られるまで、私達が使う時の注意点、他の食用油との違いなどの基本を踏まえつつ、今回は健康やダイエットとの関連をフォーカスしてお話しました。
オリーブオイルについては現在も、スペインの医療機関を中心に、様々な角度からの研究や実験が続けられています。その最新の結果や、オレイン酸以外の成分で健康に良い成分についてもお話しました。

さて、今回のオリーブオイルラインナップは単一品種。ホームセミナーでも4月は単一品種をご紹介しています。いずれもクオリティの高いエクストラバージンオリーブオイルです。

今回使用したオイル
  1. イタリアのラツィオ州ラティーナのイトラーナ種100%。通常この品種は風味が強いことが多いのですが、このオイルは珍しくマイルド。最後にほんの少しだけ辛みを感じます。
  2. イタリアのマルケ州のオイル。ラッジャ種100%。香りは穏やかですが、すっきりと笹の葉のような香りがします。その穏やかな香りに反してピリリと辛み。
  3. イタリアのプーリア州から出荷されているオイル。産地は不明です。有機栽培をうたっていますが、残念ながらエクストラバージンオイルの良さは全くありません。
  4. イタリアのラツィオ州ヴィテルヴォのオイル。香りも味わいも非常に強く、舌に乗せた瞬間からピリピリと刺激を受けます。

olio

 

 

 

 

 

オイルの詳細をご説明する前に、いずれのオイルがお好みか皆さんに伺いました。
全員一致で3番はダメ!と。
確かに今回の残念オイルは、残念過ぎましたので分かりやすかったかもしれませんが、初めてテイスティングをする方も沢山いらしたにも関わらず、そこを見分けられるのは素晴らしいことです。

shef
オイルを使ったメニューを藤澤シェフが説明して下さっています。

今回、東北支援の食材をひとつ使っています。
3月に石巻市雄勝町の水産物を支援する方と知り合い、3月は帆立を頂いたのですが、それが今まで食べた中で最高に美味でした。
しかし、復興の軌道に乗るまでにはまだまだ道のり長く、私達も支援できるのではないかと藤澤シェフに相談しました。
快諾して下さったシェフは、雄勝町のつぶ貝をお料理に。

先付:空豆とペコリーノトスカーノ。サラメトスカーノ。

空豆とペコリーノはイタリアでは定番の組み合わせ。ここまでシンプルですと、空豆の茹で加減が物を言います。
ここに、ちょうど良いサラメが入ってきたから・・・とシェフが加えて下さいました。

前菜:海の幸の盛り合わせ
  1. 蕪とサルデーニャ産のカラスミ
    カラスミが蕪の甘さを更に引き立てています。使用オイルは2番。
  2. ホタルイカと菜の花のサラダ
    これもシンプルなサラダなのですが、ひとつひとつの食材それぞれの味、歯ごたえが絶妙です。使用オイルは1番。
  3. 雄勝町のツブ貝と筍のマリネ
    いずれもグリルしてあるのですが、ほんのりと香ばしい香りが2番のオイルの爽やかな笹の葉の香りにとても合います。筍と笹の葉、合うはずです。
    ツブ貝はこぶしほどの大きさ。味わいもしっかりとしていて、やはり美味でした。
プリモ(パスタ):二色のアスパラと生ハムのスパゲッティ

今回も皆さん絶賛のパスタ。
家庭でも出来そうなシンプルさなのですが、やはりこれもアスパラそれぞれの食感と味わいが深く、全てのバランスが良いのです。
使用オイルは1番ですが、皆さんお好きなオイルを掛けて色々試してらっしゃいました。とても良いことだと思います。
いずれも質の高いオイルですから、どれを選ぶかはもうお好みです。

セコンド(肉料理):牛ホホ肉と春野菜のアンチョビ煮込み

良い香りが漂います。
当然ながらこれには、強いオイル4番を。
更に手元で掛けると、煮込んだ肉にも負けず、オイルの辛みを感じることが出来ます。

ここまで頂いて気付いたのは、味がだんだんとくっきりしてきたこと。
最初の前菜は、本当に素材の味だけを感じるようでした。それがパスタ、メインと進み、しっかりした味になってゆきます。
こうした仕立て方も、料理を最後まで美味しく頂ける理由ですね。

ドルチェ:ヘーゼルナッツの焼き菓子ピエモンテ風と、苺のムース仕立て

シンプルな焼き菓子も味わい深く、ムースも香りよく美味でした。
このイチゴのソースにもオイルが使われています。
イチゴとオリーブオイル、本当によく合うと思います。


caffe

食後のお飲み物を頂いて、お食事は終了。
同じテーブルの方同士、お話が弾みとても賑やかなお食事タイムでした。
あいにく雨が降り始めてしまいましたが、今回もバリラジャパン様からパスタのお土産を携え、皆様笑顔でお開きです。

 

 

今回も、皆様から色々なお話を伺うことが出来、とても楽しい時間でした。あっという間の4時間でした。
色々なご予定がおありの中、こうして足を運んで下さったこと、本当に感謝致します。

オリーブオイルが、皆様の食生活を更に美味しく健康的なものになるお手伝いができますように。


ご協力頂いたみなさま