南イタリアの魚介料理が美味しい赤坂の「ラ・スコリエーラ」にてセミナーを開催致しました。
都心とは思えないような広々とした空間、そして大きなテラスまでついたこのお店。まさに南イタリアのお料理を頂くのにピッタリの空間です。

LuceVerde
良く晴れ、風も穏やかでしたので、テラス席でセミナー&ランチとなりました。
残暑が厳しく少々暑い時間帯もありましたが、お食事の頃には風も少し吹き、心地よい空間でした。

 

LuceVerde

それにしても、20名のご参加者プラス2名、総勢22名がこうして一か所に座ることができたのは、今までのセミナーでは初めてです。

さて、セミナーはいつものようにテキストを使った講義から。オリーブオイルがどう作られているか、脂肪酸やその他の成分、オリーブオイルと健康について、オイルの品質についてなどです。

 

 

 

 

 

scogli13

 

 何回かご参加下さっている方も何名かいらっしゃいますので、お話の内容は毎回多少アレンジは致しますが、受講下さる方に向けて基本的なことをお伝えします。

LuceVerde

 

そしてその後は、テイスティングです。

今回は南イタリア料理ということで、オイルも南イタリアで揃えました。

今回使用したオイル
  1. シチリア州トラーパニ。シチリア西部に多く見られるビアンコリッラ種の単一。香りは柔らかな草の香りが中心で少しバナナのような香りも。味わいもマイルドですが、最後にピリッと辛みが。色々なお料理に馴染みやすい使いやすいオイルです。
  2. シチリア州キアラモンテ・グルフィ。この土地の代表品種トンダ・イブレア種100%。収穫後12時間以内に搾油するというこのオイルは、トマトや草の香りが強く、味わいもしっかりとしています。
  3. カンパーニア州ベネベント。ワインでも有名なこの土地の土着の3品種を中心にしたブレンド。1や2と違い、ブレンドの為か、香りも味わいも複雑性があり広がりがあります。特別辛いタイプでは無いものの、辛みが持続することも特徴。
  4. プーリア州レッチェ。都内の輸入食材店にて1500円で購入したオイルですが、開封時から既に残念な香りと味わい。

今回、オイルテイスティングが初めにも関わらず、とても的確に表現して下さる方が何名もいらして驚きました。聞けば、ワインテイスティングをお仕事だったり趣味でよくなさっているとのこと。ワインとはもちろん違いますが、感じた香りや味わいを言葉で表現することは、慣れですから納得です。
2度目以降の方たちも、自由に表現して下さっていました。屋外という解放感の為か、皆さま遠慮なく発言して頂けたことはとても嬉しい事でした。

さて、1~3番のオイルを使ったお料理を楽しむ時間のスタートです。

写真が無いのですが、お料理に先駆けてヨーグルトのムースが出て参りました。これは、魚返シェフのアイディアです。
先日、オイル決めの打ち合わせの際に、シェフはオイルが気管に入ってしまったせいか、かなりむせてしまいました。次のオイルに移ろうとも味が分からない状態で。
「ヨーグルトが効きますよ」と食べて頂いたところ、効果てきめん。それを覚えていて下さって、テイスティング後の皆様の喉のリセットの為のムースなのです。

こんな細やかな気遣いの魚返シェフのお料理、期待が高まります!

LuceVerde

前菜:前菜3種盛り合わせ

左から・・・
①赤烏賊と熊本産赤茄子のマリネ
②大間の本マグロ
③自家製黒皮カジキの燻製メロン添え。
何れも美味!見た目は至ってシンプルですが、シンプルだからこそ素材の旨みと、シェフの繊細さに裏付けられた美味しさでした。

この盛り合わせには、シェフと相談しお好きなオイルを考えて掛けて頂く、というスタイルにしました。これがとても好評。皆様考えつつ、楽しんで掛けてらっしゃいました。

ここでも気付いたのですが、普段のセミナーですと間違ったオイルを掛けちゃったらどうしよう・・・と静かになりがちなのですが、開放的な明るい雰囲気のせいか、「私は3番にしたの」「私は1番がいいと思う」と、それぞれが自由に。
些細な事のようですが、私にとってはとても嬉しい事です。美味しいオイルを知って頂いたのですから、後はご自身の味覚や好み次第。不正解はないのです。

一応お勧めの組み合わせを。
①には1、もしくは3。烏賊に合わせるのならば1のオイル、グリルした茄子の凝縮に合わせるのならば3のオイルです。
②には1、もしくは2。マグロ本来の味と香りを楽しむには1を、調和を楽しむのならば2のオイル。
③には3です。燻製の強さに負けないという意味もありますが、下のメロンにはやはりフルーツの香りが感じられる3のオイルを合わせた方が自然です。

前菜:定番の前菜~佐島産ヒシコイワシの白ワインヴィネガー漬けと、カポナータ

これらの前菜にはセミナーで使用したオイルは使われていません。
でも、こうして数種の前菜を取り分けスタイルでサーブするのがこのお店のスタイルです。オリーブオイルセミナーではありますが、コラボですから、お店のカラーを出して頂くことも歓迎です。
何より、ご参加の皆様にとって、色々食べられることは嬉しいことですしね。

プリモ(パスタ):自家製本マグロのカラスミのスパゲッティ

これも美味でした!
2番のオイルをたっぷりと掛けて頂きました。マグロのカラスミの強さを2番の香り高いオイルがマイルドに。
マグロのカラスミは、私が良く行くシチリアはトラーパニの名産です。これを日本で、しかも自家製を頂けるのは嬉しい驚き。
魚返シェフは後に、セミナー用にもっと美しく盛りたかったのですが、余裕が無くて。とおっしゃっていました。
当然です。この人数でパスタですから時間との勝負ですし、南イタリアの大らかな料理は、こんな風に大胆に頂きたいものです。

LuceVerde

こちらは、そのマグロのカラスミ。乾燥するまで毎日グラッパを擦り込んでいるそうです。

持っているのはサービス担当のyujiさん。
普段から大人数のグループや貸切に慣れてらっしゃるので、今回のセミナーのサービスもとてもスムーズでした。

 

セコンド(魚料理):イトヨリのオリーブオイルと香草のオーブン焼き

メインはもちろん魚です。淡白な味のイトヨリですが、その旨みが溶け出したオイルに浸って味わい深い仕上がりです。

これには3番のオイルを掛けて、キリッと味を引き締めます。

このイトヨリ、時間や仕上がりきっちりとを計算し調理されています。
オイルを掛けるタイミング、香草を入れるタイミング。オリーブオイルと引き立てあうような塩加減。これも、ご参加の皆様から美味しい声が何度も上がっていました。

LuceVerde

 

 

銘々にサーブされる前、こうしてお皿ごと披露です。
かなりの重量。
何台ものカメラが向けられ、もう腕が限界の様子。

 

ドルチェ:オリーブオイルのジェラートとピーナッツのトルタ

2種のジェラートが乗っています。
本来は1種のはずでしたが、直前になってもう1種追加というおまけが。
右側のジェラートには2番のオイルが使われています。このオイルは香りが高いだけでなく、持続性があるのも特徴です。こうしてジェラートになってもテイスティング時に感じた、爽やかな草の香りやトマトの香りを感じることができます。


この後はエスプレッソを頂き、セミナーは終了です。


20名を超えると、ご参加者同士どうしても離れた席の方とは、お話どころか顔さえ分からないことがほとんどかと思いますが、この日はこうして円卓のように囲むことができ、会話はせずともどんな方がいらっしゃるか、お互いの雰囲気が伝わります。そのせいもあってか、和気あいあいとした一体感あるセミナーでした。

そんな雰囲気を作り出して下さったお店のスタッフの方々、美味しいお料理を作って下さった魚返シェフ、何よりご参加の皆様、本当にありがとうございました!

 

 

こちらは、ご参加の方のブログです。とても素敵にご紹介頂きました。
「こうまのへや」 http://ameblo.jp/koumanoinanaki/entry-11618805264.html

 


ご協力頂いたみなさま
  • La scoglieraラ・スコリエーラ:新鮮な魚介とそれをシンプルに活かす美味しいお料理ありがとうございました!
  • Barilla バリラジャパン:調理・お土産用パスタのご提供ありがとうございました。カラスミのスパゲッティ、美味しく頂きました!
  • オリオテーカ:美味しいオイルのご協力ありがとうございました。2番と3番のオイルです。常にクオリティ高いオイルを扱ってらっしゃること、尊敬致します。