白金台のリストランテ 「Biffi Teatro ビッフィ・テアトロ」にて、企業様の貸切セミナーを開催致しました。

biffi
今回ご依頼下さったのは、首都圏で現在4カ所の保育園を運営なさる「株式会社 我喜大笑」様。
保育士さんたちを中心にした職員研修としての、オリーブオイルセミナーです。
テーマも決めて下さっていました。「キレイ・オイシイ」
ご参加者は30名。全て女性です。

biffi

ご担当者に人数と大まかなご要望を伺い、いくつかお店の候補を挙げた所、ビッフィ・テアトロをご指定。美味しいお料理、素敵な広い空間、スマートなサービス、こうした大人数でのイベントにはぴったりのお店です。
この店では、昨年の2月の公開セミナーに続き、2度目のセミナーです。後藤シェフもマネージャーの奥野氏も前回の経験がおありですので、打ち合わせから当日まで順調に進みました。

当日はさすが指導する立場の皆様、時間前にお集まりくださり、セミナーは整然とスタートしました。

biffi15-18
セミナー内容は通常の公開セミナーと同じです。テキストに沿ってお話を進めますが、やはりオリーブオイルは大地からの恵みだということをご理解頂くためにも、昨年のイタリアの状況の事もお伝えしました。

biffi

テイスティングは全ての方が初めて。最初は恐る恐るといった感じでしたが、それぞれのオイルの違いが分かりはじめると楽しそうにしていらっしゃいました。
感想をお聞きすると、初めてにも関わらず、きちんと感想を述べて下さる方ばかりです。
中には、香りと味の印象、強度まで正確に捉えてらっしゃる方も。

今回のオイルのラインナップは以下です。
(※オイルの評価について
エキストラ・バージン・オリーブオイルは農産物です。その年の気候やオリーブの樹の健康状態によって味は大きく左右されます。また、搾油後の経過時間によっても味わいは変化します。
上記のオイルの評価は、私の主観に加え、以上のような影響があることを加味した上で、ご参考下さい。)

今回使用したオイル
  1. イタリア ベネト州 グリニャーノ種単一。2013年収穫。フルーツ系の香りと、ナッツのようなマイルドな味わいの中に苦味も感じられる。500年以上続く農園。若い後継者が更なる質の向上に努めている。
  2. イタリア シチリア州 チェラスオーラ、ノチェッラーラ・デル・べリーチェ、ビアンコリッラのブレンド。DOPヴァッリ・トラパネージ。2013年収穫。草をちぎった時のような心地良い香り。口に含むと少し辛味を感じるが、後味はマイルド。
  3. エクストラバージンオイルの表記であるが、香り味わい共に良い点が感じられない
  4. イタリア ウンブリア州 フラントイアーノ、レッチーノ、モライオーロのブレンド。2014年収穫。香りはスパイス系。サラリとしたオイルで、キリリとした綺麗な辛味を感じる。

biffi

 

今回もどのオイルがお好きか伺ったのですが、まんべんなく手が挙がったように思います。
オイルの説明は、出来る限り生産者の事もお伝えしました。
セミナー後のアンケートに「こんなに手を掛けて作られているとは思ってもみませんでした」と。
質の高いオリーブオイルを作ることが、どんなに大変な事か、その片鱗をお伝えできたのであれば、嬉しい事です。

オイルの説明の後は、料理メニューの説明を後藤シェフから頂きます。

biffi

テイスティングした時に感じたオイルの印象を食材に探した事なども交えて下さいます。
「1番のオイルは、甘味を感じたけれどほろ苦さを感じた。そうした印象はアスパラだった」など、興味深いお話です。

 

通常はこの段階で、奥から料理が運ばれてくるのですが、このお店では完全にカウンター内でお料理が作られます。盛り付けも目の前で。
biffi

テアトロ=劇場 の名の通り、座った目の前の舞台でシェフたちがきびきびと、丁寧に料理を作る様子を見るのはとても楽しい時間です。

biffi

前菜:色々な貝のクルードとアスパラガスのマリネ 薫製をかけた卵黄と共に

シェフがおっしゃった、甘味とほろ苦さのある1番のオイルを使った前菜です。
アスパラガスの甘味とほろ苦さ、貝にも甘味と少しえぐみがあります。上に乗せられた卵黄は、香るか香らないかの本当に軽い薫製。
オイル、アスパラ、貝。3者の甘味と苦さが調和した一皿でした。

プリモ(パスタ):桜海老のリングイネピッコレ レモン、ラグサーノチーズ、モッリーカ添え

シチリアの食材が使われているパスタには、2番のシチリアのオイルを。
もちろん好相性。
桜海老の出汁を吸ったリングイネ。先ずはサクッとモッリーカを感じ、レモンと爽やかなオイルが香り、マイルドなチーズ。段階を追って感じられる味わいがとても美味です。

biffi
お料理を待つ時間は、ともすると長く感じてしまいますが、こうして見ているとあっと言う間です。
30名分ものパスタにも関わらず、とてもスムーズで、まだ最初の方が食べているうちに最後の方のお皿が運ばれます。

プリモ(リゾット):鴨とちりめんキャベツのリゾット 泡立てた鴨のスーゴと共に

これが今回のアッビナメント大賞。
4番のオイルと素晴らしく合いました。
鴨の肉の甘味とキャベツの甘味が立つリゾットに、4番のスパイス系の香りとキリッとした辛さがピタリとはまります。右手にスプーン、左手にオイル、と、掛け続けて食べたいほどです。
そのうち、本当にスパイスの香りがしてきました。鴨を煮込んだ時にジェニパーベリーを使ったそうです。その香りがオイルによって立ってきたのかもしれません。
非常に素晴らしいアッビナメントでした。

4番のオイルは昨年の11月に絞られた、いわゆるノヴェッロとして出荷された商品です。通年商品は遮光瓶に入っているのですが、このノヴエッロはオリーブオイルを入れるにはNGである透明ボトルに入っています。それゆえ、安定性が良く無い為、この日まで非常に気を使って保管しておりました。

 

ドルチェ:ティラミス エスプレッソとカカオのクランチ添え

通常ティラミスにはココアパウダーが掛かっていますが、カリカリした食感が楽しいクランチ状になっています。
若い女性ばかりの団体です。ドルチェの美味しさに歓声が上がっていました。