静岡県菊川市のシェアショップそらまめで、第6回目のセミナーを開催致しました。
今回はスペシャルバージョンです。
東京から2つの人気店のシェフが、セミナー料理を作りに来てくださいました!

学芸大学「オステリアバル リ.カーリカ」オーナーシェフ 堤亮輔氏
下目黒「アンティーカブラチェリア ベッリターリア」オーナーシェフ 井上裕一氏

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いずれも超人気店。雑誌やTV等にも頻繁に取り上げられていて、今では予約が困難なほど。彼らとはそれぞれレストランセミナー以来、ずっと良いご縁が続いており、イベント等でもご一緒頂いています。
そんな彼らが、そらまめセミナーで私が大人数の料理を用意していることを知り、手伝いますよと、わざわざ静岡までいらして下さり、セミナー料理を。なんと有難い事でしょう!

そらまめセミナーはいつも晴れ。桜がちらほらと咲き始めたこの日も、青空です。
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「ママズ シェアショップ そらまめ」は、地元のハウスメーカー ウィングホームのモデルハウスを利用したシェアショップです。1階も2階もイベントが出来るスペースがあり、地元で色々な取り組みをするママの活動を応援する、というコンセプトで運営されています。
趣旨としては少し変則的ですが、ここでオリーブオイルセミナーをさせて頂いています。

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今回は、いつも以上に大人数。
東京から素晴らしいシェフが2名もいらして下さる機会、そうそうありません。なるべく多くの方にご参加頂きたく、狭いお席も我慢して頂きました。

先ずはご挨拶から。
シェフたち、いつもと違う勝手のせいか、少し遠慮がちです。
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でも、私は彼らと一緒にこの菊川のそらまめに立てることが嬉しくて仕方ありませんでした。
しかも、いつもは私が料理を用意しなくてはなりませんので、かなり神経を使いますが、今回は強い味方が2人もいるので、気持ちもとても楽です。

こうして写真を見ても、私が一番リラックスしているようです。

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挨拶の後は、セミナーです。
今回は短く、、、と思って始めたのですが、結局お伝えしたいことが、次から次へと湧き出て参りまして、いつも通りの時間になってしまいました。

テイスティング。
今回も4種です。3種はとても美味しいエクストラバージンオリーブオイル。1種は、何かのコンテストで金賞を受賞していますが、明らかに欠陥オイルです。
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今回使用したオイル
  1. イタリア シチリア州を中心としたイタリア各地のオイルのブレンド。2014年収穫。産地、品種の公表なし。花のような華やかな香り。口の中でもその花のような香りを感じることが出来、さらりとしたマイルドな味わいだが、最後にピリッと軽い辛味を感じる。
  2. イタリア シチリア州アグリジェント ノチェッラーラ種単一。2014年収穫。爽やかな若草のような香り。味わいはアーモンドのような甘味から始まり、心地良い辛味を感じる。
  3. イタリア トスカーナ州シエナ コレッジョーロ、モライオーロ、フラントイオの3種のブレンド。2013年収穫。1年以上経っているにも関わらず、緑茶のような香りがあり、辛味と苦味もしっかりとしている。残念ながら、2014年は生産者ご自身が納得できる質に満たないとして、生産は見送り。
  4. 残念なオイル。ソーセージやハムのような香りがする。

今回も静岡の方々の判定能力は素晴らしいものでした。40人を超える人数にも関わらず、4番オイルに「好き」と手を挙げた方は皆無。これだけの人数がいらしたら、たいてい5~6人はいらっしゃるのです。
テイスティング中から、「なんだこれは」や、「これ、何か入ってるよね」等の声が遠慮なく上がります。

それぞれのオイルについてのご説明が終わり、待ちに待ったお食事タイムです。
そらまめではいつも、配膳と片付けは各自でお願いしています。
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オープンキッチンですし、シェフたちが料理の仕上げをするさまを間近で見たり、手伝ったりして頂きました。
48名分のお料理、スタッフ総出で仕上げます。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA3人だけでは当然ありません。
写っていないだけで、4名以上の裏方さんがいます。いくら素晴らしいシェフたちとはいえ50名に近い分量です。人手は当然必要。
セミナー中は、シェフの指示のもと、刻んだり、成形したり、お湯の用意をしたり、片付けたりと、それは良く動いてくれました。

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今回のお料理のテーマは地元の食材。
トマト、イチゴ、ヨモギ、シラス。
特に使って頂きたかったのは、この菊川の生産者、平川氏のトマト。とにかく、素晴らしく美味です。
試作用として平川氏から両シェフに送って頂いたところ、即座に連絡が入りました。是非、お店でも使いたいと。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAが、トマトの苗の声を聞いて育てる平川氏。大量生産は出来ません。
都内の百貨店からの依頼も、メディア取材も断り、ご自身のこだわりで生産、販売してらっしゃいます。
今回のセミナーでは、そんな貴重なトマトを無償でご提供下さいました。なんと、お礼を申し上げて良いのやら。

 

では、お料理の紹介です。

前菜:インサラータ ディ リーゾ(堤シェフ)

お米と色々な野菜のサラダ。上に乗っているのは、バルサミコで和えた紅ほっぺ。
静岡市の生産者のイチゴです。
クリーミーな果肉の甘味が、バルサミコで引き立ちます。
これに掛けたのは、3番のオイル。
トスカーナのオイルは何故かイチゴによく合います。イチゴの甘味とオイルの辛味が合うのでしょうか。

野菜たちの中に塩気のある生ハムもアクセントになり、とても美味なインサラータでした。レシピを是非!という声も。

 

プリモ(パスタ):ヨモギのニョッキ(堤シェフ)

前日に、里山で摘んだヨモギです。ふわりと山の春の香りがします。
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採りたて、且つ柔らかい芽の部分だけですので、優しく香ります。
これを練り込んだニョッキには、シンプルにバターソースを絡め、パルミジャーノと、1番の華やかなオイルをこれまたたっぷりと掛けます。

ヨモギの香りに、花の香り。春ですね。

 

 

プリモ(パスタ):サルシッチャとトマトのスパゲッティ(井上シェフ)

先ほどのトマト、生でとっても甘いのですが、煮込むと更に甘味が出ます。
その甘味と、サルシッチャの塩気とクミンの香り、バジルをアクセントに、これまた人気の一皿でした。
サルシッチャと言っても、ケースに入れず、こんな風に肉団子に。
これならば、家庭でも簡単に出来ますね。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAオイルは2番。
トマトに最も合うオイルですし、豚肉にも相性が良いのです。
たっぷりと掛けて頂きます。

セコンド(肉料理):鶏肉のロースト シラスのソース(井上シェフ)

鶏もも肉のローストに添えられたソースは、御前崎で水揚げされたシラス。
塩気も甘味もある釜揚げシラスを、アンチョビの代わりにたっぷりと。
アンチョビを肉のソースにするのは珍しくありませんが、こうしてシラスとなるととても珍しいと思います。
食材にシラスを挙げた時、シェフはすぐに思いついたようです。流石ですね。
オイルは、3番。肉に合わせた3番でしたが、シラスにも合いました。香草と一緒に煮込んだシラスのえぐみと塩気が、トスカーナの辛味オイルが良い相性でした。


今回は、人数が多かったこともあり、とても賑やかな会でした。
楽しく、美味しく、スペシャルなひと時でした。
こんなひと時を持てたのは、両シェフはもちろんですが、熱心にアシストしてくれた方たちのお陰です。
そらまめセミナーは、こうした方たちのお陰で成り立っています。私一人では到底出来ません。

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今回、シェフが2名もいらっしゃる為、普段よりもスタッフは少なくて良いかと勝手に思っていましたが、それは違いました。
やはりアシストしてもらう事は必要でした。ご参加の人数も多い事ですし、実際はいつも以上に必要でした。
それが分かったのはセミナー途中。
しかし、友人は依頼無くともエプロンを持参し、最初から手伝うつもりで参加してくれていました。当然のように、最初から最後までアシストを。本当に感謝です。

今回は大人数ゆえ、皿の枚数も足りず、私も不備もあり、スムーズに行かない場面もありましたが、大らかな気持ちで受け止めてくれるのがそらまめセミナーにご参加下さる皆様です。
快く、配膳と片付けをし、初めての方同士、笑顔でお手伝い下さいます。

こうした全ての方々の支えがあって、開催できるそらまめセミナーです。

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今回、友人や家族と造っているそらまめセミナーに、尊敬する大好きなシェフ2名を迎えることが出来て、本当に嬉しく思っています。
見返りを求めない彼らの心意気のお陰です。

感謝して止みません。
ありがとうございました!

■■ ご協力頂いた方々 ■■
オステリア バル リ.カーリカ 堤シェフ
アンティーカ ブラチェリア ベッリターリア 井上シェフ
ウィングホーム
トマト生産者 平川氏
写真撮影 中野氏
コルポベッロ