業界で大注目の亀戸「メゼババ」高山オーナーシェフとのコラボセミナーです。2年越しの計画がようやく実現致しました。
mese1お店は少人数のカウンターのみのスペースゆえ、セミナーはレンタルキッチンスペースでの開催です。
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予約が取りにくく、且つ普段はカウンターの中の高山シェフが、オープンキッチンでお料理して下さるということで、皆様ワクワクしながら集まってらっしゃいました。

 

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ご参加の方々はLuceVerdeのセミナーに何度も通って下さっている方が中心。そんなわけで、セミナー内容は中級編です。

 

この後のお料理が楽しみで、セミナーは上の空では、、、と少々の懸念がありましたが、そんなことはありませんでした。
皆さま熱心に聞いて下さいました。
中には、何度も基礎編を受けて下さり、この中級編を楽しみにして下さっていた方も。
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テイスティングは4種。
着々と料理が進んでいるキッチンから時折美味しそうな音や、良い香りが漂います。

テイスティングしながら、このオイルはどんな料理に使われるのだろう、、、と、いつにもまして想像力を働かせたのではないでしょうか。

 

 

今回使用したオイル
  1. イタリア イタリア各地のオイルのブレンド。2014年収穫。花のような華やかな香り。口の中でもその花のような香りを感じることが出来、さらりとしたマイルドな味わいだが、最後にピリッと軽い辛味を感じる。
  2. イタリア シチリア州シラクーザ。トンダイブレア種単一。2014年収穫。海抜700mの高地で有機栽培されている。若草の香りやトマトの葉の香りがし、爽やかな辛味がある。
  3. イタリア トスカーナ州モンテネロ ドルチャ。2013年収穫。コレッジョーロ、モライオーロ、レッチーノ種のブレンド。搾油から1年経つが、オリーブの実の香りと辛味、苦味が健在。トスカーナらしいオイル。
  4. 残念なオイル。

1番が最も人気だったようですが、好みはそれぞれでした。
テイスティングを何度かしたことがある方も、迷うような少し難しいラインナップでした。

特に3番に関しては、薫り高いオイルにある若草のような香りではなく、アクを感じるような香り。味わいも苦味とえぐみもあります。これを苦手。不味い。とおっしゃる方も。
香りと味わいの好みが人にはありますので、これは当たり前の感想。

しかし、好みでは無くてもこのオイルが質の高いオイルであることを、この後の料理に掛けた時の激変によって理解して頂きました。
ここが料理と合わせたオリーブオイルセミナーの醍醐味であり、素晴らしい点です。
もし、講義とテイスティングだけのセミナーでしたら、単に、苦手だったり、不味いオイル。で終わっていたことでしょう。

さて。
待ちに待ったお料理のスタートです。

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セミナー前からこうして、キッチンには食材がシンプルにドンと置かれ、準備が進められていました。

 

 

 

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シェフにとっては慣れない厨房ですが、高山シェフは様々な場所で出張料理をなさっていますし、その臨機応変さは過去にご一緒したイベントで拝見していましたので、流れや手順の心配は全くしておりませんでした。

 

 

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お料理の説明は、その料理が出た都度に頂きました。
必ず食材の説明から。どの食材も、手間を掛け、生産者が愛情と情熱を込めて育てたものばかりです。

 

それにしても、20名を超える料理をお一人で、しかも時差無く提供できる高山シェフ。素晴らしい。

 

 

 

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今回は、配膳片付けは皆さんにお願いしました。

「出来ましたよ~」のシェフの声で、それぞれカウンターに取りに行きます。給食スタイルです。
贅沢な給食です。

 

 

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贅沢と言えば、もうひとつ。
ご参加者でもある女性が、務めてらっしゃる会社のシャンパーニュを乾杯用としてご提供下さったのです。

 

 

 

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ニコラ・フィアット 2006年 ブラン・ドゥ・ブラン。
倉田さんからご説明頂きました。

洋梨の香りがふわりと漂い、味わいはキリリと爽やか。
皆さま、とても喜んでらっしゃいました。

ご提供、ありがとうございました。

 

 

 

このシャンパーニュで乾杯。宴の始まりです!

 

 

 

 

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先付:フィノッキオのおつまみ

お料理がスタートするまでのおつまみ。
これは高山シェフが焼いて持参下さいました。
フィノッキオの香りと、サクサクした生地。スパークリングワインや白ワインにピッタリです。

前菜:アメリカでイタリア人が作るブッラティーナと、愛媛タロッコオレンジのインサラータ

タロッコオレンジのかすかな酸味と、ブッラティーナの甘味。ピスタチオが散らされ、アクセントにミントが。
使ったオイルは華やかな香りと、ナッツを思わせるマイルドさが特徴の1番。
花の香りがしたオイルでしたが、こうして掛けるとミントの香りが更に立ちます。全てを一緒に口に運ぶと、本当に華やかです。
これが今回のアッビナメント大賞その1です。

高山シェフは、1番のオイルをテイスティングした時からこんなイメージがあったそう。普段、こんなに華やかな皿は作らないシェフですが、これはまさにこの1番のオイルをイメージして作って頂いた皿。

前菜:鶏レバーのクロスティーニ。トスカーナ・アンティーカ。

「道具がありませんから、昔は今みたいなペーストはありません。こうした細かいミンチ状だったんです」
と、高山シェフ。メッザ・ルーナと呼ばれる包丁でレバーを細かくしていたそう。
野菜たっぷりと、レバー。良く焼いたパンにやけどしそうな熱々を乗せて頂きます。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAオイルは、2番。
実は、料理が出来てから味見させて頂き、オイルを決めました。
こんな事が出来るのも、オープンキッチンのライヴ料理ならでは。

強い味わいの料理が、トマトの葉の香りがするオイルを掛けるとスッキリ頂くことができます。
これは、たっぷり掛けるのが美味でした。

添えられたのはフルーツトマトの半切り。
静岡の平川さんのトマトです。今回のセミナーにも無理を言って送って頂きました。調理せずに切って乗せただけのトマト。皆さま納得の美味しさ。

前菜:カルチョーフィのアンチョビ煮込み

これもワインが進む前菜です。
カルチョーフィをじっくり煮て、アンチョビもたっぷりと。
オイルは、これも直前までシェフと考え、決めた2番。
カルチョーフィに合わせるか、アンチョビに合わせるか。
アンチョビに合わせる為に、2番のシチリアのオイルを選択しましたが、これが成功。塩気が強いこの前菜に、2番を掛けると爽やかでマイルドに。

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プリモ(パスタ):パスタ・エ・ファジョーリ

ひよこ豆と野菜をじっくり煮込んでペースト状にしたズッパを、パスタに掛けて頂きます。豆の甘味にローズマリーの香りがほんのり。滋味あふれる、イタリアの家庭の味。

「それぞれお好きなオイルを掛けて頂き試して頂きましょう。」と高山シェフが最初からご提案下さいました。

合うのは文句なく3番のトスカーナオイル。
一旦掛けると、もう掛かっていないのはあり得ない。と思えるほどの好相性。
これが、アッビナメント大賞その2です。
豆料理と言えばトスカーナ。それにトスカーナのオイルですから王道ではありますが、それだけが理由ではありません。
このお料理に、この3番のオイルの相性がとても良かったのです。

テイスティング時に、3番のオイルを不味いとおっしゃっていた方も、オイルと料理の激変に驚き、そして3番のオイルを好きになったご様子。
とても良い経験をして頂きました。

セコンド(肉料理):愛農ポークのアリスタ。

黄金色に輝く肉と、肉汁を煮詰めたソース。
この豚は愛農高校の生徒が、丹精込めて、、、というよりも、一緒に暮らすようにして育てた豚だそう。
手には入らない豚だそうですが、なぜかここに。
これをオーブンでじっくり焼き、アリスタに。
掛けるオイルは3番のトスカーナのオイル。やはり、これだけ強い食材には持続性あるオイルが必要です。
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こんなオープンキッチンです。
美味しそうな肉の塊、盛り上がらないわけがありません。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAこんなふうに、さらに塊に分け、各テーブルで切り分けを楽しんで頂きました。
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これも高山シェフからのご提案。
皆さまがどうしたら楽しみ、喜んで下さるかを常に考えてらっしゃいます。

テーブルでは各自持ち込んだワインや日本酒などを皆さま一緒に楽しんでいらっしゃいます。
オリーブオイルのカップが無かったら、ワイン会かと思うほどのワインがずらりと並びました。

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アリスタを堪能し、料理は終了です。

この料理にはこのオイル。とご案内はしましたが、ご自身の好きなオイルを終始掛けていた方も。
それも、とても良いことだと思います。
いつもセミナーでお話しているように、質の高いオイルを見分けたら、あとはもうお好きなように使って頂ければ良いと思っています。
それぞれのオイルの違いを楽しむも良し、大好きなオイルが料理によって変化するのを楽しむも良し。自由です。

質の高いオイルを、美味しい食事と共に楽しんで頂くことが、シェフとコラボするセミナーの目的です。

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オープンキッチンという事で、ご参加の皆さまもライヴ感を堪能できたご様子。席を立つ事で、コミュニケーションも沢山取れ、新しい出会いや繋がりも。

そして、今回は皆さんに食器洗いや片付けをお手伝い頂きました。中には、エプロンを新調して楽しみにしていて下さった男性も。
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今回、アシスタントをして下さった三浦さん。ありがとうございました!
これからも一緒にオリーブオイルの勉強を続けましょうね。
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高山シェフのお料理は、この日のアリスタのように骨太です。でも丁寧で、きっちりと計算されています。だからこそ、オイルを掛けた時に、オイルと共に変化するのだと思います。オイルのスペースをきちんと作って頂いていました。
美味しいのはもちろんですが、オリーブオイルを念頭においた、素晴らしいお料理の数々。
高山シェフ。ありがとうございました!

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幾度と無く、セミナーに足を運んで下さっている皆さま。
本当にありがとうございます。今回も、こうして素晴らしい時間を作って下さったこと、心から感謝いたします。
ありがとうございました!

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■■ご協力頂いた方々■■
メゼババ オーナーシェフ 高山シェフ 素晴らしいお料理とパフォーマンスをありがとうございました。
日本酒類販売㈱  美味しいシャンパーニュのご提供ありがとうございました。
ご参加の21名の皆さま 配膳・片付ありがとうございました。