セミナー＆ランチ＠ダル　ビルバンテ　ジョコンド

新緑が美しい白金台のトラットリア「トラットリア・ダル・ビルバンテ・ジョコンド」にて、オリーブオイルセミナーを開催致しました。

24名の募集はあっという間に満席となり、30席まで増席。さすが、人気のお店です。

大きな一体感のあるホールに、「日曜日のランチに集まる大家族」をイメージし、テーブルを大きくつなげました。
店長の古川氏の指揮のもと、実に丁寧にテーブルセッティングがされてゆきます。

この店の心地良さは、スタッフの明るさだけでなく、この細心の心配りあってこそ、ということが分かります。

皆さまにイタリアの農園や搾油所の雰囲気をお伝えするために、今回もプロジェクターをご用意。
これも、死角の無い大きなホールであるからこそです。

テキストとプロジェクターを使用しての座学は1時間弱。
初めてのご参加の方が多かった今回、大切な事はお伝えしたいと思いながらも、それでもまだまだお話出来ていない事が沢山。
この後の個別のご質問にお答えします。

テイスティングです。いつものように、4種類。うち1種は残念なオイルです。
これには理由があります。
たとえテイスティングのプロであっても、一度に並べるのは4つまでと決められています。
それ以上は分からなくなってしまいますし、LuceVerdeのセミナーは基本的に「食事」がセットです。
どの料理にどのオイルを掛けるか。3種あれば充分ですし、それ以上あっても混乱するばかりです。

私も美味しいオイルを沢山ご紹介したいと思いますし、ご参加の皆さまも沢山知りたいと思ってらっしゃるかと思いますが、一度に4種は今後も守ってゆきたいと思います。

1. イタリア　リグーリア州ルチナスコ　タッジャスカ種単一2015年搾油　リヴィェラ・リグレDOP タッジャスカ種というと、味わいも香りも非常にマイルドな物がほとんどだが、このオイルは笹の葉のような爽やかな香りと、シャープな辛味と苦味もきちんと持つ。生産者が女性という点でも、非常に珍しいオイル。(日本未販売)
2. 残念なオイル　収穫後から搾油までの時間が掛かり過ぎた為か、オリーブの実の発酵臭が感じられる。(リスカルド)
3. イタリア　シチリア州キアラモンテ・グルフィ　トンダイブレア種単一2015年搾油　モンティ・イブレアDOP 毎年安定して美味なオイルを生産する、シチリアでも有数の規模を誇る生産者。この種の特徴であるトマトの香りの高さは、持続性に富み、心地良い辛味を感じられる。
4. イタリア　ウンブリア州フォリーニョ　モライオーロ種単一2015年搾油　質の向上を常に目指す生産者が、昨年導入したばかりの最新システムにて搾油。コショウのようなスパイシーな香り、強い辛味と苦味があり、共に持続する。

前菜："ヴェルデ"な春野菜たち

ジョコンドのテーマカラーはVerde(ヴェルデ=緑)
私もLuve Verde
野菜もVerde
ワインも同じくVignaVerde

と、緑尽くしの前菜からスタートです。

本当にシンプルに塩ゆでしただけの野菜です。
これに、オイルを掛けて頂きます。

きちんと塩が入った茹でと、仕上げのシチリアの塩。
そこへ3番の薫り高いシチリアのオイルを。
野菜自体の香りと相まって、更に素晴らしい香りが。
究極のシンプル料理ですが、本当に美味でした。

もちろん皆さま、全てのオイルを試していらしたようです。

スープ：ひよこ豆のズッパとバッカラ

ひよこ豆のズッパにバッカラが乗っているのは珍しいかと。
これには理由があります。

「豆にきっと合いますね」と打ち合わせの時に決めた1番のオイルの産地はリグーリア州。
バッカラはまさにこのオイルの産地ルチナスコでも日常的に食べられている食材です。
これをスープとの繋ぎに。

既にオイルが掛かっていますが、ここに更に掛けます。やはり、こうしたスープにはオイルたっぷりが美味です。
オイルをアクセントにする為、普段入れるローズマリーは控えて下さいました。

豆の甘味とバッカラの塩気、そこに1番のオイル。このオイルは食材の味を持ち上げ、引き立ててくれます。

プリモ（パスタ）：スパゲッティ　カーチョ・エ・ペペ

ジョコンドの定番スパゲッティは、内藤シェフのデモンストレーション付き。
ご参加の皆さまにより楽しんで頂けるようにと、店長古川氏のアイディアです。

家庭でも簡単に作る事が出来るカーチョ・エ・ペペの作り方を、コツを押さえ、分かりやすくご説明頂きました。

ここでも内藤シェフの話術の巧みさが光ります。
皆さま、これならば家で作れそう、、、と真剣に聞いてらっしゃいました。

その後、改めてスパゲッティが出され、やはりここにもオイルを掛けます。4番のオイルです。
チーズの強さとまったり感に、4番のキレのある辛味と苦味がしっかりとしたアクセントになります。
これはやはり美味です。

セコンド（肉料理）：ふくどめ小牧場　"幸福豚"　シンプルなロースト

腿肉ですので、赤身が多めです。
あっさりと、しかし旨みがしっかりしたローストに、4番のオイルをこれまたたっぷりと掛けて頂きます。
付け合せは、甘味あるじゃがいもと、ビエトラ。これも、イタリアで食べるそのままの組み合わせです。

流石、これにも4番のオイルはぴったりの相性。

ドルチェ：ファットリア・ビオのフレッシュリコッタ　蜂蜜とオリーブオイル

カラブリア州出身のイタリア人が北海道で作っているチーズです。
リコッタの甘味とほんのりの塩気。
ここに、蜂蜜とオリーブオイルを良く混ぜたソースを添えて。

蜂蜜とオリーブオイル、そしてチーズの相性は元々とても良く、これまた非常にシンプルで美味なデザートでした。

混ぜたオイルは4番。蜂蜜の強さに負けません。
他のオイルもかけてみましたが、3番も良く合っています。

この後、食後の飲物を頂き、お食事は終了です。

今回、オイルと料理との厳密なアッビナメント(組み合わせ)には、こだわりませんでした。
元々、そういう厳密なスタイルではなく、美味しいオリーブオイルと美味しい料理を楽しく楽しんで頂こうと、打ち合わせをしておりました。

セミナーレポートでも何度も書いていることですが、どのオイルとどの料理が最も合うか、、、という判断は人それぞれ違います。
食の好みも、感じ方も千差万別。

質の高い、本物のオリーブオイルを使って頂く事が大切なのです。

「日曜日のランチに集まる大家族」

予想以上の大所帯になりましたが、同じテーブルについた方たちと、賑やかに楽しく過ごして頂いた様子を、とても嬉しく思いました。

支えて下さったスタッフの方々のお陰です。ありがとうございました。

そして、貴重な休日のお時間にお集まり下さいましたご参加の皆さま。
熱心にセミナーを聞いて下さり、楽しい食事時間を共有でき、感謝しています。
どうもありがとうございました！

• トラットリア ダル・ビルバンテ・ジョコンド：美味しいお料理とワイン、楽しい雰囲気の中、スムーズに運びましたこと、お礼申し上げます。
• Az.Agr.Cristina Armato：Grazie per il suo buon olio. Abbiamo notato che la sua buona qualità ancora una volta.(Armato 1番のオイルです)
• 株式会社ベリッシモ：美味しいオイルのご提供、ありがとうございました。(Primo DOP　3番のオイルです)
• ：美味しいオイルのご提供、ありがとうございました。(Liris 4番のオイルです)