神谷町のRistorante Da Olmo ダ・オルモにて、3回目のオリーブオイルセミナーを開催致しました。
多くの方にご興味頂き、お席を増やしての賑やかな会になりました。

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セミナーも三回目の開催ともなると、原品マネージャー始め慣れたもので、皆様をお迎えする時間まで余裕があります。

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キッチンでは北村シェフが料理に取り掛かります。
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今回はオイルも料理もテーマは設けませんでした。
その時に感じるものにしましょうか。と意見が一致。

2年前からなかなか入って来なかったサルデーニャ島の大好きなオイルがちょうどこの夏に入荷。
是非、このオイルを紹介したく、ラインナップへ。

先ずは、基礎編のお話から。
もう何度もセミナーへ来て下さっている方が何名もいらっしゃり、また基礎編をお話しするのは心苦しく思いながらも、初めてご参加の方に基本をお伝えしながら、新しい情報を交えつつお話ししました。

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テイスティングはいつものように4種類。

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今回使用したオイル
  1. イタリア シチリア州キアラモンテグルフィ 2015年収穫 トンダイブレア種単一。DOPモンテイブレイ。例年より辛みは控え目だが、素晴らしい香りは変わらない。トマトの香り、味わいはバナナも感じる。(購入可能先は最下部リンク参照)
  2. イタリア サルデーニャ州オリエーナ 2015年収穫 ボザーナ種単一。夏草や緑茶の香り。有機栽培。乾燥した大地で育ったボザーナから搾油されたオイルはポリフェノール値が高く、辛みと苦みをしっかりと感じる。
  3. イタリア ウンブリア州ペルージャ 2015年収穫 モライオーロ、サンフェリーチェ、フラントイオ、レッチーノのブレンド。最新の概念に基づいた搾油方法。オリーブの実やハーブの香り。シャープな辛みと苦みがあり、非常にクリアな味わい。(購入可能先は最下部リンク参照)
  4. エクスラバージンオリーブオイルとの表記があるものの、加工肉や発酵臭が感じられる。

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今回、ワインに造詣が深い方がとても多かったのですが、やはりワインテイスティングとオリーブオイルは違うようで、難しいとの声もありましたが、非常に的確に表現なさる方も。

レストランセミナー最年少のご参加者、5歳の男の子がいらっしゃいました。
1番のオイルをテイスティングし、「オリーブオイルの香りがする」「美味しい!」と。

こんな子供の頃から良いオリーブオイルに慣れている事、うらやましいですね。

今回皆さまにどうしてもご紹介したかった2番のオイル、サルデーニャ島のオイルの生産者を2年前に訪問した時の写真を資料にしてご説明しました。

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今年も収穫まで1か月少し。出来がどうなのか、気になります。

様子を聞くと共に、このセミナーの報告をしたいと思います。

各オイルの詳細をご説明し、セミナーは終了。お食事の時間です。

先付:パッパ アル ポモドーロ

トスカーナ地方の料理で、固くなったパンをトマトで煮込む料理です。
お腹が空いているところへ、このパン粥。
トマトの甘さと、1番のオイルの香りがとても心地良く、すっと喉を通ります。

前菜:帆立と牡蠣

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ちょうど良い火入れの帆立。
シンプルな塩味で帆立の甘みを楽しみます。

 

 

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ぷっくりした牡蠣には2番のオイルがたっぷりと。
牡蠣のミルクと、2番のオイルの苦みが薬味になっています。

 

北村シェフらしからぬ仕立ての皿に、お店の常連さんからは驚きの声が。
「オイルありきで考えたところ、オイルを掛けたらそれで完成したんです。もう他の物は必要なかった。」と北村シェフ。

プリモ(パスタ):天然舞茸のスパゲッティ

天然舞茸が香ばしく焼かれています。スパゲッティと共に噛みしめると、良い出汁が口の中に広がります。
ここには3番のオイルの香りと苦みを添えます。

イタリアでは例えばポルチーニにはヌピテッラというハーブがお決まりです。
3番のオイルはセージやミントのような香りもあります。
そんなことからすんなりと決まったメニューでしたが、それでもやはり実際に食べてみないことにはわかりません。

1番でもなく2番でもない、やはり3番のオイルがピッタリでした。

舞茸とオイルが引き立て合うバランスのパスタでした。

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お料理にはそれぞれワインも考えられています。選択肢から多目、少な目、または両方、なんていう我が儘も。

縦横無尽にテーブルを回る原品ソムリエです。

 

セコンド(肉料理):熟成豚とミルトのオーブン焼き

清涼感あるミルトの葉の香りが、ほんのりと豚をくるんでいます。
これは、2番のサルデーニャ島のオイルに合わせてシェフにリクエストしたお料理です。
豚の甘い脂身と、優しい肉、本当に美味。

ここに、2番のオイルを掛けると、更に甘く感じるから不思議です。

食べながら更にミルトの香りを感じられるようにと、葉を一枚づつ添えて提供下さいました。
「たまにちょっと葉を噛んでみて、また肉を食べてみてください」と。
素敵な趣向です。

ミルトはサルデーニャ島の有名なハーブです。
神木でもあり、儀式はもちろんですが、料理にも使います。
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この実を使った食後酒が有名ですが、生葉は日本ではなかなか手に入りませんし、市場では出回っていません。
今回、友人に特別に提供してもらいました。

私も日本でミルトを使った料理は初めて頂きました。貴重な一皿です。

ドルチェ:洋梨のオーブン焼き ミルクのソルベ添え

今回の料理と同じく、シンプルなドルチェ。豚肉の後の流れの上でも、とても秀逸。
素材の味と香りを楽しみます。軽く焼かれた洋梨の香りが高く、ミルクのソルベにも洋梨が。

これには1番のオイルがたっぷりと掛けられています。
1番のオイルのフルーツ香が、洋梨と出会って、更に増幅します。
2番のオイルも合います。2番だと、香りよりミルクの甘みが引き立ちます。


お食事中は本当に賑やかでした。
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グラスを9個持ってらっしゃるのでしょうか。
こうした大人数の時にしか見られない、原品ソムリエの技にも、場が湧きます。

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場が湧くと言えば、この時も。
皆さまが構えるカメラの先にあるのは、、、、
olmo2016ミルトです。
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一番多くのカメラを向けられたのは、このミルトかもしれません。

 

いえ、その後にもカメラが一杯でした。

この店、ダ・オルモは9/19に4周年を迎えていました。
今年は特にパーティなどの予定は無かったようなので、それならば、今宵集まった方々と一緒に祝えたら、、、と思い、お店の方々には内緒でケーキを用意しました。

皆さまにお配りしているテキストに、その旨のメッセージを挟み、ドルチェのタイミングで。

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まさか、ケーキが自分たちに向かってくるとは思いもよらず、驚かれたお店の方たち。
サプライズ、大成功です。
ご参加のみなさまのお陰です。

このお店の常連の方も、初めての方も、一緒になってこのお店の4周年を祝いました。

愛される店お店です。

 

セミナー前、皆さまをお待ちしていた時のこと。

お出しするワインの準備をしていた、原品ソムリエがワイン比較をさせて下さいました。全て同じワイン、同じ時に入荷したものです。

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今開けたばかりのもの。デカンタしたもの。3日前に抜栓したもの。

香りと味の違いに驚きました。

こうして丁寧に準備なさっているのですね。作り手の考えも尊重しながら、飲む方には美味しく飲んで欲しい。そう考えてらっしゃるそう。

ブレの無い美味しい料理と、丁寧に手を掛けた美味しいワイン。気持ちの良い接客。

愛される訳ですね。

 

4周年を祝いながらも、この場に居合わせ、美味しく楽しい時間を共に過ごせたことを全員で祝う、とびきり幸せな時間でした。

オイルと料理、料理とワイン、友人と初対面の人、お客様とお店のスタッフ、、、、
素晴らしいアッビナメントが数えきれないほどあった、この夜。

ご参加下さり、一緒に素晴らしい時間を作って下さった皆さまに改めて感謝致します。
ありがとうございました!


ご協力頂いたみなさま