新宿区河田町の「小笠原伯爵邸」にて、オリーブオイルセミナー&ガーデンランチを開催致しました。
スペイン料理を供するこちらのレストランは、東京ミシュランで9年連続で星を獲得。
募集開始当初から皆さまから、「憧れの場所です」とのお声を多数頂戴致しました。

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昭和2年にスパニッシュ様式で建造された由緒ある邸でのセミナー。ご参加の皆様も期待一杯でいらして下さいました。

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邸の一室にて、先ずはセミナーです。
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油絵が飾られたクラシカルなお部屋ですが、披露宴等のパーティーを常になさっている為、プロジェクターやスクリーンの設営も完璧です。

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ここで座学とテイスティングを。
基礎編を踏まえ、搾油やオリーブオイルに含まれるポリフェノールの効能など、最新の情報を交えながらお話し致しました。

セミナー後はテイスティングです。
今回はオールスペイン。
スペインでもオリーブオイル生産の中心地であるアンダルシア地方のオイルたちです。

今回使用したオイル
  1. スペイン アンダルシア州セビリア ブレンド(アルベキーナ種、マンサニージャ種)2015年収穫 早朝に収穫した実を、2時間以内に搾油。 25℃以下での低温搾油。ボトルにもガス充填し、質をキープしている。 若草のような穏やかな香りが心地良く、味わいはマイルド。
  2. スペイン アンダルシア州ハエン アルベキーナ種単一2015年収穫 無農薬栽培、収穫後4時間以内に搾油。熟す前の実を 早摘みすることで、高いポリフェノール値に。草を刈った時のような爽や かな香りと、シャープな辛みがある。
  3. スペイン アンダルシア州マラガ オヒブランカ種単一 バイオダイナミック栽培された実を収穫後2~3時間以内に搾油。フルーティーな香り高く、 強い辛味と苦味のバランスが良い。
  4. 残念なオイル 酸っぱい香りが感じられる。収穫された実の多くが、つぶれたり傷付いていた事などが原因として考えられる。

オイル詳細をご説明する前にまず、皆さまに1~4番までのお好みを伺いました。
1~3番までまんべんなく手が挙がりました。優しい1番から強い3番まで、お好みはそれぞれでした。
そして、初めてご参加の方も含め全ての方が、4番はNGだと評価。
理屈は知らずとも、清潔感のある香りは感じられず、口の中に入れた時も油っぽいと感じられたそうです。その通りです。

今回は、スペインの地図を見て頂きながら、これらのオイルの詳細をご紹介をしました。
スペインは世界第一位のオリーブオイル生産国です。そして、その実に8割を今回ご紹介しているアンダルシア州が生産しています。

品種も同じものもありましたが、オリーブオイルの味と質を左右する一番の要素は、品種ではありません。
どのタイミングで収穫し、どう搾油されているか。
それぞれこだわりの栽培方法と搾油方法の1~3番のオイルは、いずれも非常に美味です。

 

この美味なるオイルたちをたっぷりと掛けて、スパニッシュランチをガーデンで頂きます。
セミナー会場から、既に設営されているガーデンへ移動です。素敵な庭に何度も足が止まります。

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ガーデンの中心にはスペインからはるばるやってきた、樹齢500年のオリーブの樹が植わっています。

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しっかりとこの地に根付いています。この樹から採れた実を使ったオリーブの塩漬けも前菜で頂きました。

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美しくセッティングされたテラス。皆さまから歓声が上がります。
梅雨時のガーデンランチ、雨の心配も致しましたが、幸いなことに薄曇りの一日で、快適なランチタイムを過ごすことが出来ました。

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お席に着いても、期待で賑わうテーブル。

ogasawara先ずは、小笠原伯爵邸の料理長、ゴンサロ・アルバレスシェフから今日のメニューの説明を頂きました。

来日して8年のゴンサロシェフは日本語も堪能。
テントの下にはすでに前菜が用意されています。耳慣れない料理名の解説を聞きながら、期待も更に高まります。

先ずは前菜と飲み物を取りに行き、テーブルへ着席、乾杯です。
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撮りそびれてしまいましたが、乾杯のご挨拶を小笠原伯爵邸の社長竹内氏から頂き、ガーデンランチのスタートです。

 

前菜:サルモレホと前菜盛り合わせ

前菜は9品

トマトのファルシ
サラダ
ハモンイベリコ
サルモレホ
オイルサーディンのピンチョス
アンチョビ ニンニク パセリ
樹齢500年のオリーブ
ナッツとドライフルーツ
野菜のピクルス

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こうして後ろのテーブルに用意されています。各自、取り分けます。
当然ながら、お皿に一度では乗り切れません。

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もちろん、それぞれにお好きなオイルを掛けて召し上がって頂きます。

前菜:サラダ

美しいサラダですが、彩りだけではありません。
ゴンサロシェフは野菜使いがとても上手。それぞれの野菜の味のバランスが絶妙でした。
松の実、チーズなどのアクセントもあります。

スペインらしく、シェリービネガーと塩、そしてお好きなオイルを掛けて頂きます。

前菜:オイルサーディンのピンチョス トマトのファルシ

癖のない甘みあるサーディンには、1番のオイルを。

ogasawara強さのあるアンチョビには、2番のオイルを合わせました。
これをパンに乗せたら、いくらでも食べてしまいそうです。

小笠原伯爵邸は今年、「OGA BAR(オガバル)」をオープンさせました。ここでは、おつまみとして缶詰を頂くことができます。
缶詰というとお手軽で手抜きのイメージですが、ここで扱っているのは、化学調味料や保存料などは無添加、上質な素材の味楽しめます。
今回の前菜にもその缶詰食材が使われています。

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トマトのファルシには、相性の良い2番のオイル。

このほか、ナッツもドライフルーツもそれぞれクオリティが高く、美しく美味しい前菜を十分に味わいました。

セコンド(肉料理):ブティファラソーセージ

カタルーニャ地方のソーセージの炭火焼きです。
これを食べやすいよう、シェフたちが切り分けて下さいます。ogasawara

これには3番のオイルを。
マスタードも添えられていましたが、3番のオイルの辛みだけで十分に美味でした。

セコンド(肉料理):プルマイベリコ プルーンのソース ポテトファルシ

肉にはもちろんですが、甘いプルーンのソースにも、3番のオイルがぴったり。
そして、ポテトファルシには1番のオイル。チーズを掛けて焼いているのですが、チーズの香りと味わいがとても穏やか。ハーブはオレガノかタイムでしょうか。これもとても控え目で、1番の柔らかいオイルが良く合いました。

ogasawara炭火グリルの上には、ガーデンにふんだんに生えているローズマリーを置き、香りだけを移しながら焼いています。
炭火というと、豪快に思いますが、ゴンサロシェフらしくとても繊細です。

プリモ(リゾット):パエリア

ガーデンランチの主役です。
パエリアパンの大きさももちろん主役級。
ogasawaraパエリアならお手の物!とゴンサロシェフ。

ガーデンの席に着いた頃から、この良い香りが漂っていました。

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やはり美味しい!
お米も、魚介も本当に美味。米はアルデンテですが、帆立などは口に入れるとほろっと崩れるほど柔らかく。

このパエリアにはお好きなオイルを掛けて召し上がっていただきました。
お皿の上で3つに分けて、3種のオイルを掛けて確かめたりと、自由に楽しんで頂きました。

 

ドルチェ:デザート

小さなデザートが沢山用意されています。

メロンのエスフェリコ オリーブオイル
フルーツのタルト
クレマ カタラナ
トゥロン

ogasawaraメロンと1番のオイルがゼリーを纏っています。
口の中で一体となるその食感が楽しく、また美味。

フルーツタルトもそれぞれに美味しいフルーツが贅沢に使われています。
ガーデンランチの素敵な締めくりりでした。


品数も多かったので、写真も多くなりましたが、掲載できていない写真が実はまだまだあります。

ゴンサロシェフの料理を以前に頂いた時も思いましたが、野菜を始め、クオリティ高い素材をとてもバランス良く調理なさること。
今回は伝統的なスペイン料理でしたが、レストランでは和の食材も取り入れた、料理を楽しむことができます。
繊細な料理です。
それは、このガーデンランチにも表れていました。屋外料理でありながらも、会の趣旨である、オリーブオイルを活かす繊細な料理でした。

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スパニッシュガーデンでの、スペインオイルを楽しむスパニッシュランチ。

屋外という解放感、ブュッフェ式というるカジュアルスタイルでありながらも、フォーマルに整えられたテーブルと、丁寧なサービスの方々。

贅沢な時間でした。

 

そして、とても嬉しく思ったのは、皆さまが常にオリーブオイルとの相性を考えながら食事なさっていたこと。
お好きなオイルを使ったり、比較してみたり、周囲の方と意見を交わしながら「オリーブオイルセミナー」のランチタイムを過ごして下さっていました。


お食事の後は、竹内社長のご厚意で、ガーデンと邸内の見学ツアーをして頂きました。

広報担当の宮下氏からガーデンの植栽や、邸内の部屋の所以やステンドグラスの歴史など、細かなところまでご説明を頂きながら見学することが出来ました。
シガールーム、パティオ、屋上の庭園。
普段は立ち入れない、湧き水のある地下のセラーもご案内頂きました。

都心に居ながら、まるでスペインのお屋敷に出掛けてきたような、そんな時間でした。

非日常的な贅沢な空間でのセミナーは、こうして夢心地のまま終了致しました。

このような特別なセミナーが開催できましたのも、ご参加下さった皆様のお陰です。
ご参加、どうもありがとうございました。


ご協力頂いたみなさま