質の高いワインを輸入販売している株式会社フィラディス様のご依頼で、社員の方々に向けたオリーブオイルセミナーをさせて頂きました。

もろちんのことながら、テイスティングをたっぷりなさりたいとのこと。
世界各地のオイルを10種以上をご希望でした。

こうしたご要望は受けた事がありませんでしたので、準備する時から、楽しみながらオイルを揃えました。

テイスティングの前に、やはりオリーブオイルについてのお話を致しました。

皆さま、ご自身が扱ってらっしゃるワインと比べながら聞いて下さっていたようです。

「ワインの作り方と通じる部分も多く、ワイン造りに対する理解も深まった気がして、とても感謝、、、」
「全く造る過程や種類などを知らなかったので大変勉強に、、、」
「生産者の想いや、作り方、輸送までやはりワインと同じ農作物だなと改めて、、、」


そして、テイスティングです。
以下の10種を、5種ずつ2回に分けました。

今回使用したオイル
  1. イタリア ラツィオ州 イトラーナ種単一 ガエタとも呼ばれるイトラーナ種はこの土地の土着品種。香りがとても良い。非常に丁寧な仕事をする生産者。
  2. イタリア カンパーニア州 これもイトラーナ種単一 種抜き製法、且つ、極力水を使わずに搾油されるオイルはとてもクリアな味わい。生産者は知識と強いこだわりを持って生産している。
  3. スペイン 産地不明 エキストラバージンオリーブオイルにあるべきフルーティさが欠け、良さを感じられない。
  4. クロアチア ラバック アスコラーナテネーラ種単一 大きな実のこの品種はテーブルオリーブとしても食べられ、フリットなどにも使われる。緑の香りが高い。
  5. スペイン カスティーリャ ラ・マンチャ州 アルベキーナ、ピクアル、コルにカプラ、マンサニージャのブレンド 子供の頃から本物をという理念で作られたオイル。子供=マイルド、ではなく早摘みの実を使いオリーブの実にある苦みと辛みをしっかりと出したオイル。
  6. オーストラリア ピクトリア州 コロネイキ、カラマタ、ペンドリノのブレンド 土着品種は無く、スペイン、ギリシャ、イタリアなどの品種をメインにしている。
  7. ギリシャ アハイア コロネイキ種単一 ギリシャの代表品種。日本に輸入されているギリシャ産オイルはこの種が多いが、一線を画す香りと味わい。
  8. 日本 香川県 ミッション種単一 アメリカからもたらされた日本の生産者に人気が高い品種。爽やかな香りと味わい。
  9. イタリア 産地不明 空気に触れていたか、時間の経過に伴う酸化臭が感じられる。
  10. イタリア トスカーナ州 フラントイオ種単一 この種の特徴である苦みと辛みを非常に良く引き出している。グリーンアーモンドやアーティチョークなど緑の香りが強い。

テイスティングが始まったとたんに、非常に静かになった会場。

普段のセミナーとは反対です。いつもであれば、色々な声が出るところですが、皆さまやはりテイスティングのプロですね。
カップの中のオイルの香りや味わいを取ろうと真剣です。


通常、LuceVerdeのセミナーテイスティングでは4種をマックスとしています。
これには理由があります。
まずプロであるIOC(国際オリーブ協会)の公式テイスターの基準でも、一度に4種まで、セッションの間には15分空けることが定められています。

もちろん、商品のグレードを決める為のプロの判定に揺るぎが無いようにするための基準ではありますが、それだけオイルのテイスティングを一気にする事は、人にとって負担になるということです。

5種ずつ2回に分け、途中でインターバルを入れたとはいえ、やはり皆さまにとっても負担になったご様子。

「ワインのテイスティングと違いました」
「オイルのテイスティングの負担の大きさに驚きました」
というご意見が。


質疑応答の時間には、様々なご質問が。
受ける私も非常に勉強になりました。熱心な質問が続き、主催の方からタイムアップが掛かり終了致しました。


木曜日の夜という、会社員にとってはもっとも疲れがピークの時間にも関わらず、真剣に、そして楽しみながら聞いて下さり、感謝しています。

一般教養として、またワインを扱うお仕事の上でも、少しでもお役に立てたのであれば、とても光栄です。

感謝しつつ、フィラディス様の益々のご繁栄をお祈り致します。


ご協力頂いたみなさま
  • オリーブオイル市場:素晴らしいクオリティのオイルのご提供に感謝致します。 (No.1カリエタ、No.2イトランズ、No.10フラントイオ)
  • カモマイルクラブ:素晴らしいクオリティのオイルのご提供に感謝致します。 (No.5カシータス デ ウアルド)