昨年に続き、今年も秋田県の「あきたシャポン」「比内地鶏」とコラボしたオリーブオイルセミナーのご依頼を頂戴しました。
今回は、本場秋田市にて。

場所は、あきたシャポンの周知、拡販はもとより、あきたシャポンと比内地鶏を使ったオリジナルパテの開発と販売もしているレストラン「アトリエ ルセット」です。

1/25木曜日のディナーと、2/26金曜のランチタイムの2回に渡り、セミナーを開催し、地元秋田の方々に楽しんで頂きました。

「アトリエ ルセット」社長の野口氏は料理教室の主宰から始まり、秋田県の食を日本各地、最近では海外へも発信なさっている、秋田県の食の第一人者と言っても過言ではない方です。

今回のお客様たちは、野口先生の料理教室の生徒さんや、食に携わる方々などが中心。
食のプロへ向けてのセミナーは緊張はしますが、「ルセット」の前身である「米カフェ」時代、もう6年も前から野口先生や、須田シェフ、スタッフの方とお付き合いをさせて頂いていますので、セミナーだけに集中して臨むことが出来ます。


プロジェクターも使用し、大きな画面で写真を見て頂きながら本物のオリーブオイルが出来るまでや、そのオイルを作る生産者の様子をご説明致しました。

セミナー後はオイルテイスティングです。
今回は、以下のラインナップでした。

今回使用したオイル
  1. イタリア サルデーニャ州オリエーナ 2016年に収穫搾油。ボザーナ種単一。乾燥した大地で有機栽培された実を、清潔且つ効率良く搾油。香りが高く、ポリフェノールが多いボザーナ種の特徴が良く出ている。葉の香り、苦みと辛みのバランスがとても良い。1、4番のオイルは2017年、これは2016年であるが、それを感じさせないクオリティ。
  2. エキストラバージンオリーブオイルの表記はあるものの、本来エキストラバージンオリーブオイルにあるべき香りが無く、ネガティヴ要素である酸味を感じる。
  3. イタリア シチリア州ラグーザ 2017年収穫搾油。トンダブレア種単一。樹に無理をさせない伝統的な育て方をし、搾油は新しい設備でしている。この品種の特徴であるトマトの香りが高い。今年も例年に比べると苦味と辛味は控えめ。後味はナッツのようなまろやかさを持ち、辛味を少し感じる。
  4. イタリア ウンブリア州ペルージャ 2017年収穫搾油。中部イタリアの代表品種、モライオーロ、レッチーノ、フラントイオのブレンド。研究熱心な生産者であり、一昨年から搾油ラインを一新。より高い品質を目指している。胡椒や緑の濃い香り。辛味と苦みは強く、且つ持続する。

オイルテイスティングは初めての方から、以前のセミナーにもいらして下さった方も。
お好みを伺うと、1番が多く、次いで3番と4番。
4番のオイルは辛味と苦味が強く、これをネガティヴな要素と感じられた方も。
ところが、この後の食事でその印象が変わったご様子。

テイスティングの次は、あきたシャポンについての説明です。
秋田の方々にとっても、あきたシャポンはまだ新しい食材です。
野口社長からのご説明と、生産者の佐藤氏からご挨拶を頂きました。

昨年、熊の被害にあい、出荷予定の数が減ってしまったそうです。自然に囲まれた屋外で飼育されている為の被害ですが、大切に育ててきた生産者の方にとって大変な事だったと思います。

あきたシャポンについては、こちらのページをご参照ください。
http://www.yonecafe.com/recette/effort/cyapon/

さて、食事のスタートです。
今回は、メニューを先に決めて頂き、それに合わせてオイルをセレクト致しました。
比内地鶏とごぼうのフェトチーネと、4番のオイルの相性は最高でした。

 

前菜:前菜盛り合わせ
  • 比内地鶏と海老のエスニックパテ
    「アトリエ ルセットルセット」が開発・販売してらっしゃる3種のパテの中でも一番気に入っているパテです。
    1番のオイルがぴったりです。パテに使われているバイマックルーの香りが更に引き立ちます。
  • プティシュー レモンのクリーム
    2番のオイルと共に頂くと、レモンの香りが引き立ち、4番のオイルを掛けるとクリームの心地良い甘みが立ちます。
  • サーモンの瞬間スモーク 比内地鶏の卵
    軽く燻製されたスモークには、1番のオイルがぴったり。2016年の搾油ですから香りも味も落ち着き、まろやかです。
プリモ(パスタ):比内地鶏とこぼうラグーのタリアテッレ

比内地鶏とゴボウと言えば、きりたんぽ鍋を連想させます。
当然ながら相性は抜群。
このラグーもごぼうの土の香りと比内地鶏の甘い香り、優しいのにこくのある味わいが、手打ちのフェトチーネととても良いバランスです。

ここには4番のオイルをたっぷりと。
4番のオイルの胡椒の挽きたての香り、辛味がとても良いアクセントになります。

セコンド(肉料理):あきたシャポンのロースト

あきたシャポンのホールローストです。先ずは、このまま野口社長が各テーブルを回ります。
皆さまから歓声が。あきたシャポンは大きさもありますし、そのホールローストはとても立派です。

そして、胸肉と腿肉の両方の部位を頂きます。
ホールローストは見栄えだけでなく、皮が肉の水分と旨みを守ります。パリッと焼けた皮も、しっかりとした肉質も美味。
流石、地元秋田で何度もあきたシャポンを扱ってらっしゃる須田シェフのローストです。

添えられた野菜も美味。
野ゼリの素揚げはとても香ばしく、初めて頂きましたがチョロギの素揚げは甘くほくほくしています。
東京のセミナーであきたシャポンのローストは頂いていましたが、こうして地元の野菜を添えられるとまた格別です。

シャポンの肉質に合う4番の強いオイルか、ちょっとオイルを添えたい時の1番のオイルか、または香りの高い3番のオイルか。
皆さんに自由に掛けて召し上がって頂きました。

:比内地鶏と鳥海ジャージャーミルクのプリン,比内地鶏のベイクドフロマージュ

ミルクの香りと味わいが優しいプリンです。
1番と同調させるか、4番でアクセントにするか、これもお好みで皆さんに楽しんで頂きます。

比内地鶏のベイクドフロマージュは「アトリエ ルセット」で販売する焼き菓子です。
この時は試作終盤ということで、特別に盛り合わせて頂きました。
甘さ控え目で、お茶だけでなく、ワインにも合う大人のお菓子です。


以上であきたシャポンと比内地鶏&オリーブオイルセミナーのコース料理は終了です。

まさに、この3つの素材を楽しむことが出来た料理でした。オリーブオイルを掛けると、味わいが変わったり、増幅したり、、、皆さまに体感して頂けました。
普段なかなかできない体験を皆さま喜んで下さり、感動してらっしゃることがダイレクトに伝わってきました。

本当に美味しいオリーブオイルとはどのように出来ているのか、私がイタリアの生産者を訪問した際に撮ってきた写真や、その時の様子をお伝え出来た事、そのオイルを気に入って頂けた事、そして、何よりオイルと食の融合を心から楽しんで下さった事。

質の高いオリーブオイルから始まる輪を広げることをテーマにしている私にとって、とても嬉しい時間でした。



6年前のご縁から、秋田に訪れるのは今回で4回目です。
毎回、雪が降る寒い季節です。今回も大雪。

でも、秋田市に到着し、お店に着くと、社長とシェフ始め、スタッフの皆さんが温かい笑顔で迎えてくださいます。

セミナーでは、お客様たちがやはり温かく迎えてくださり、セミナーや料理の感動をストレートに伝えてくださいます。

野口社長には毎回、出掛ける前に、「寒いから温かくしていらしてね」とメッセージを頂きますが、寒いと感じたことは、実はありません。

今回も胸が温かく、熱くなった2日間の秋田市でのセミナーでした。

また次回も、ご参加の皆さまにもスタッフの皆さまにも喜んで頂けるようなセミナーをさせて頂けることを願っています。


ご協力頂いたみなさま