1日限りの「オリーブオイルバー&カフェ」を開店致しました。
いつものようなセミナースタイルではなく、カジュアルなイベントです。
テイスティングからスタートし、セルフサービススタイルでのお食事の提供、そして質の高いオリーブオイルをはじめとして食材等のマーケットも設定しました。
今回の料理は、アンティーカ ブラチェリア ベッリターリア の井上裕一オーナーシェフが作って下さいました。
井上シェフとはもう何度も一緒にイベントをしています。気心も知れていますので、こうした外部でのイベントも不安はありません。
が、しかし、彼がこうしたイベントでタイトル通りの単なる「カフェ飯」を作る訳がありません。
井上シェフが普段お店で出している物とはまた違った、こうしたイベントならではの料理を披露して下さり、これがまた素晴らしく!
慣れない場所、しかも家庭用のコンロにも関わらず、美味しくて、楽しい。そんな料理の数々でした。
気軽な雰囲気をお伝えしたく、「カフェ」と命名しましたが、「これはカフェではありませんよね!?レストラン以上ですよね!」と、ご参加の方々が何人もそうおっしゃっていました。
料理に関しては、後のパートでじっくりとお伝えします。
先ずはテイスティングから。
イタリア食材の販売もして下さったアステイオン・トレーディングの高橋さんはオイルテイスティングの知識も経験もおありなので、お手伝い頂きました。
迷いましたが今回も4種類。やはりオイルのクオリティをご理解頂く為にも、残念なオイルを入れました。
が、余計な事でした。30名近くいらした皆さま、残念なオイルはすぐにお分かりでした。
今回のラインナップは以下です。
- イタリア ラツィオ州ソンニーノ この土地の品種であるイトラーナ種を有機栽培した単一オイル。バナナやリンゴなどフルーツの香りを感じ、味わいはナッツ。現時点では香りも味わいもマイルド。最後にほんの少しだけ辛味を感じる。Impero Colline Pontine D.O.P. 2014収穫。
- スペイン アンダルシア州マラガ オヒブランカ単一。1000年以上の歴史を持つ生産者。ビオディナミ農法で育てる農園の中心に搾油所を構え、クオリティ高いオイルを生産している。辛味、苦味共に主張し、そのバランスが良い。夏草のような香りが、現時点では落ち着き、果物やトマトの香りに。Finca La Torre 2014収穫
- オーストラリア ビクトリア州ティーズデール コロネイキ、フラントイオのブレンド。自然保護区に接する農園の敷地内の搾油所にて25℃以下で搾油。 オリーブの実の青い香りと、しっかりした辛味と、苦味を持つ。 MAX’s Blend 2014収穫。
- 残念なオイル
1~3番まで、国もそうですが、香り、味わい共に変化に富んだラインナップです。
今回のマーケットは、オリーブオイルのインポーターの方々にご協力を得ました。
質の高いオイルを輸入し、その質をキープなさっている、信頼置けるインポーターの方々です。
テイスティングはもちろん、その方々のオイルです。
私の説明に加え、今回は各インポーターさんにそれぞれのオイルの特徴や生産者の事などもお話頂きました。
皆さん、流石、的を得た説明です。
1番オイル、プリマヴェータ株式会社の大槻さん。
2番オイル、ル トーレ プロジェクトの荻原さん。
3番オイル、小里機材株式会社の稲田さん。
テイスティングが終わり、お待ちかねの料理です。
テイスティング中にも、キッチンでは調理が進行中でした。オープンキッチンゆえ、調理の音、香りetcが感じられます。
普段のセミナーではテイスティングに集中頂くところですが、今回はなかなかそうはいきません。
イベントを決めた時は夢にも思っておりませんでしたが、井上シェフが「マグロの解体ショーをやりたいな」との一言から、こうなりました。
もちろん、人だかりです。
下ろしたての鮪の、美味しかったこと!
そこに質の高いオリーブオイルと、シェフが考えた薬味を乗せて。
普段は魚介を召し上がらない方も、美味しいとおっしゃるほど美味でした。
「カフェの料理ではありませんよね!?」と皆さまがおっしゃるように、これはレンタルキッチンスタジオで、しかもたった2時間の準備時間で提供できる料理ではありません。
井上シェフが何度もイメージトレーニングして下さったお陰ですし、スーパーアシスタントの三浦さんのお陰でもあります。
そして、忘れてはならないのは、これらの料理におけるオリーブオイルの存在感。
まるで、お祭りのようなカフェでしたが、しっかりと、オリーブオイルありきの料理をシェフは提供下さいました。
今回、決定から開催日まで短かい上に、更に年末年始を挟みましたので、準備期間が充分に取れませんでした。シェフとはイベントの大筋と流れを打ち合わせしたのみで、オイルテイスティングや料理打ち合わせはしていません。
シェフはどんなオイルが並ぶのか、全くご存知無かったのです。
私も、シェフが作ろうとしている料理が、どんな味わいなのか知りませんでした。
料理が次々と完成し、カウンターに並べる井上シェフが、隣にいる私に常に言います。
「これ、何かオイル掛けて下さい」
「これ、掛けて下さい。多目でお願いします」
「合いそうなの掛けて下さい。お任せします」
後からご参加の方に伺った話ですが、「この料理には何番ですか?」と井上シェフに聞いたところ、「僕はわかんないです。真島さんに聞いて下さい」との返事だったそうです。
私たちは知らず知らずのうちに、それぞれの役割を自然に果たしていたようです。
井上シェフのお店が、年末から1月中旬に掛けて改装する。
「その間で、何かお手伝いすることあったら言ってください」とのシェフのメッセージから始まった今回のイベント。
同士でもある井上シェフとは、この後たった2~3通のメッセージで開催と日程を決めました。
シェフはその後は予算に応じた料理と趣向を考え、私はイベントの成立を考えます。
井上シェフと私でないと出来ない事。皆さまに楽しんで頂ける事。
私はもちろんオリーブオイルです。今回はレストランではありませんし、サービス担当もいませんからカジュアルなカフェ。そして、以前からやってみたいと思っていた、オリーブオイルのマーケット。
そんなわけで、インポーターさんに声を掛けました。
イベント開催を決めたのは12月の年の瀬。恐縮しながらも普段お世話になっている方々に、マーケットの出展とオイル提供をお願いするメールを。
既に年末のお休みに入っていたでしょうに厚かましいお願いに快くお返事下さり、ご参加、協賛下さった方々のお陰で、この会が成立致しました。
本当にありがとうございました。
これからも、美味しいオイルを私たちに届けて下さい。
20名と思っていましたが、30名近くにいらして頂きました。狭いところを譲り合いながら座って下さった皆さま、ありがとうございました。
もっと時間があったら、、、と何度思った事でしょう。
楽しく美味しい時間を皆さまとこうして共有できて、本当に幸せです。
ありがとうございました!
http://ameblo.jp/pizzanapoletana/entry-12118922352.html
これは、ご参加の方のblogです。人気ブロガーさんだけあり、文章は読みやすくまとまっていますし、臨場感ある記事です。
その記事の中で、最後に私の活動についても説明下さっているのですが、それが、まさに私が目指している事を代弁して下さっていて、嬉しくて目頭が熱くなりました。
私が思う以上に、ご参加の皆さまが理解して下さっていること、今回もまた教えて頂きました。
ありがとうこざいます。
最後まで残って下さった方々と記念に一枚。
オリーブオイルが繋いだ人の輪です。
私たち消費者が、美味しいオリーブオイルを見つけることは簡単ではありません。
生産者にとっても、美味しいオリーブオイルを作る事は簡単ではありません。
輸入者にとっても、販売者にとっても、美味しいオリーブオイルをキープすることは簡単ではありません。
最近も、週刊誌に本物のオリーブオイルは市場にほとんど無いという記事が載りました。
オリーブオイルマーケットの質を向上させるのは、政府による法整備や、特定の団体が制度やルールを決めるのでは無く、この会のように、本物のオリーブオイルを囲んで、それぞれの立場の方々が直接繋がることではないだろうか。
最近そう思うようになりました。
お互いの立場を知り、尊重し合い、オリーブオイルが出来るところから使う所までが繋がる。
そんな輪が出来たら、素晴らしいと思います。
大きな夢が出来ました。
ご協力頂いたみなさま
- Antica Braceria Bell'italia:井上シェフ、オイルを活かす美味しい料理、しかも楽しい料理をありがとうございました。今回も素晴らしい経験をさせて頂きました。
- 三浦りかさん:今回も的確且つスピーディなアシストをありがとうございました。
voice.