オリーブオイルセミナー&ランチ@Ristorante HONDA Vol.8

開催日:2022.06.15

外苑前の「Ristorante HONDA」にて、第8回目のオリーブオイルセミナーを開催致しました。

ミシュランの星を14回も獲得していらっしゃるこの店でのセミナーは、常に人気があります。
当初、数名でのオリーブオイルお食事会の予定でしたが、少しお声を掛けて頂いたらあっと言う間に人数が増え、公開募集を待たずに満席となりました。

季節を大切にする本多シェフのお料理はもちろん”初夏”がテーマ。

当日の小雨を吹き飛ばすような爽やかで美しく美味しい料理の数々でした。料理については後半に。

先ずはいつものようにオリーブオイルについてのお話から。
今回は複数回ご参加下さっている方がほとんどでしたが、初めての方も数名。基礎をお伝えしながら、昨今の状況をお話しました。

 

お話の後はテイスティング。今回は5種のオイルをテイスティングして頂きました。

 

今回使用したオイル
  1. イタリア リグーリア州インペリア県イゾラボーナ  家族だけの経営の小さな生産者。農園は海抜150mから550mも標高差があり、約2000本のタッジャスカを栽培している。収穫後は直ちに自社搾油所にて搾油。タッジャスカ種のオイルは通常完熟してから搾油するため、マイルドで、ともすると酸化ギリギリの物が多いが、早摘みすることで笹の葉や蕪、熟す前のリンゴなどの香りを持ち、辛みや苦みも持ち合わせる。[S'ciappau / Paolo Cassini]
  2. イタリア アブルッツォ州キエーティ イントッソ種単一。2021年収穫・搾油。アペニン山脈で2番目に高い山の麓で冷涼な気候と石灰土壌をアドバンテージに良質なオリーブを育てている。搾油からボトリングまで徹底してコントロールし、質の高いオイルを生産。青りんご、茄子など、様々な緑の香りが調和する香り高いオイル。味わいは辛みと苦みのバランスが良く、アーモンドの甘みも感じる。[intosso / Azienda Agricola Tommaso Masciantonio]
  3. イタリア ラツィオ州ラティーノ県プリヴェルノ イトラーナ種単一。2021年収穫・搾油。100年前から続くオイル生産者。農園には約1万本のイトラーナを有機栽培しており、収穫後は直ちに自社搾油所にて搾油。多くの生産者が使用している遠心分離機を使わず、2段階のデカンターで搾油。香りの高い品種であり、料理に掛けてもその香りをキープする。青りんご、バナナなどの果物の香りや、トマトや若草の香りも。
    [DOP Colline Pontine Orsini / Frantoio Orsini]
  4. イタリア プーリア州ブリンディジ県トッレサンタスザンナ レッチーノ種単一。5代続くオイル生産者。オリーブはすべて有機栽培で、工場も太陽光発電システムを導入するなど、サスティナブルにも配慮している。レッチーノという品種は一般的にここまで強い特徴を持たないが、早摘みすることで夏草などの深い緑の香り。はっきりした辛みと苦みが特徴で、且つ苦みと辛みのバランスが良い。苦みがいつまでも消えないオイルが多いが、これは最終的にはスッキリと消えることも特徴。[Albero di Athena / Azienda Agricola San Martino]
  5. エキストラバージンオリーブオイルの表記がありながらも、ネガティブな香りと味わいを持つ。スーパーで400円未満で売られていたもの。

毎回のように質問を頂きますが、どこに着目したら良いオイルが買えるのか。
実はこれは非常に難しい問題です。
でも、良く無いオイルを見分けるのは意外と簡単です。そんなあたりの事をお話しながら、テイスティングして頂きました。

1番目から香りの良さに皆さま納得頂いていました。

そして5番のオイル。正しい物では無いこと、これはもう皆さますぐにお分かり頂けたご様子で、不快な香りに顔をしかめている方も多くいらっしゃいました。

テイスティング後の段階で、どのオイルがお好きか伺いました。
1~3に多く挙手が。4は日本人には馴染があまり無い香り、且つ苦みと辛みがしっかりとしているので、オリーブオイルをかなり長く使ってらっしゃる方がお好みでした。

各オイルの説明をした後は、お待ちかねのお料理です。
先ずは本多シェフから説明を頂きます。

飲物が行き渡ったら、乾杯を。

 

もう8回目ともなると吉田ソムリエも慣れたもので、進行状況を見ながらスムーズに料理が運ばれてきます。

アミューズの説明を聞いて、益々期待が高まります。

先付:尾崎牛のタルタルとブリオッシュ 生ウニ、アボカド

ブリオッシュ、タルタル、生ウニ、アボカド。濃厚な食材ばかりです。
これを4番のオイルがキリッと締めます。とても美味しく、周囲からも感嘆が。4番のオイルがあっての一皿でした。

前菜:燻製にしたカツオと焼き茄子 みょうが、トマトジュレ

右側の燻製したカツオにはタッジャスカ種のオリーブが挟まれています。カツオに更にコクを、ミョウガで爽やかさを添えています。
焼き茄子の隣は新にんにくのムース。回りはトマトのジュレ。クミンの花が散らされています。
一見、複数の食材がバラバラに見えますが、左側を混ぜてカツオと一緒に食べると不思議。まとまっているのです。
それに一役買うのが1番のオイル。香りはありながらも、食材と出会うとそこまで主張しないので和を感じさせる料理にぴったりです。

プリモ(パスタ):白桃の冷製カッペリーニ 奥出雲の薔薇

大人気だったパスタ。
桃がたっぷりと使われています。桃の冷製カッペリーニは色々なお店で見掛けますが、薔薇を使われているは初めてです。
薔薇の香り、白桃の香り、3番のオイルのバナナを始めとしたフルーツの香り。良い香りがいっぱい詰まっています。

この写真のようにテーブルに運ばれてきたら、液体窒素で凍らせた薔薇の花弁が掛けられます。こういう演出がとっても素敵です。
鼻腔からの香り、口中の香り、そして味わい。まさに「口福」

実は私も食材提供をちょっぴりしました。
テラスの薔薇は無農薬で育てていますので、ジャムを作っているのです。
このジャムを打合せの時に何となく持参しました。
本多シェフがここ2年ほど食用薔薇をお使いなのを知っていましたので、もし出番があれば、、、と。そしてめでたく?採用。

セコンド(魚料理):島根産イサキのソテー アスパラソバージュ、ズッキーニ

イサキは敢えてしっかりと火入れしたそうです。皮は芳ばしくパリパリ。
下のズッキーニのシャクシャクした食感、アスパラソバージュの少しのぬめり。淡泊なイサキの身。
2番のオイルが混ざったソースに浸しながら身を頂くと、丁度良い味わいと歯ごたえ。
2番のオイルは3番同様に香り高いのですが、料理に使うとその香りがスッと控え目になり、お魚などの繊細な味わいの邪魔をしません。

ドルチェ:オレンジのタルトとベルガモットのソルベ

お食事のように見えますが、タルトがキャラメリゼされているのです。
これを割ると中は生のオレンジが房のままたっぷり入っています。
上のベルガモットのシャーベットは爽やか。
添えられたスイート・アリッサムがほんのちょっと苦く、またこれも良いアクセント。
オイルは香り高い3番。フルーツと非常に良く合います。やはり。

 

HONDAさんでのセミナーやお食事はいつも、終わって欲しくない。と思います。
一皿一皿のクオリティはもちろんですが、アミューズからデザートまでの流れが素晴らしいのです。
この流れに身を委ねる時間が幸せです。
まだしなくてはならない事があるのに、セミナーであることを忘れそうです。


ドルチェを頂いた後は、イタリアの生産者をオンラインで繋ぎます。
今回はプーリア州の生産者。
Azienda Agricola San Martinoの当主 Raffaele Sanasiです。
前日テストした際に、うまく接続出来ずちょっと不安でした。
やはりインターネット回線が不安定で、画像が出るまで時間が掛かりましたが、何とか。

非常にまじめな生産者で「オリーブオイルを作る上で大切なことは?」との質問に
「畑で健康に育てる事も大事だし、収穫も大切。搾油方法は常に進化しているからそれも取り入れる事が大切。もちろん保管も。」
と、結局すべての工程を挙げていました。

生産者からの質問もまた真面目で。
「マイルドなタイプと強いタイプどちらが日本では受け入れられるか?」と。
これも難しい質問ですよね。
好みはありますし、オリーブオイルに慣れていない方が、強いオイルはびっくりしてしまうと思います。
知っていれば、その苦みや辛みがポリフェノール由来のもので、オイルのクオリティにも繋がる事が判断できますが。
こうした内容や、Raffaeleの日常の話などをして中継は終了。

毎回、中継はちゃんと繋がるかひやひやします。特に今回のようなランチセミナーの場合、イタリアは早朝になるのでその点も。
また、コロナ以降イタリアに行っていませんので、イタリア語力低下も痛感した中継でした。


中継が終わり、本日のセミナーは全て終了です。

新型コロナが蔓延したこの2年半、大人数でのイベントは開催出来なかったり、開催中止をしたりしてきました。
今回、こうして無事に開催出来たこと、本当に嬉しく思っています。皆さま、ご参加ありがとうございました。
そして、開催に当たりお声掛けをして下さったM様に感謝致します。

毎回新鮮な驚きがある本多シェフのお料理。
セミナー打合せのテイスティングセッションでも、オイルに対する的確な判断と感性の豊かさをお持ちであることが分かりますし、そこから料理を組み立ててゆくスキルには驚かされます。

こうして何度も開催させて頂けること、光栄です。

このような会を気軽に開催出来る日が一日も早く訪れますように。
オリーブオイルのお話をもっともっと多くの方に届ける事ができますように。


ご協力頂いたみなさま

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Customer's Voicce

  1. T様

    久し振りのレストランセミナー、オイルもお料理も美味しくて大満足でした。牛のタルタル、桃と薔薇が特に印象的でした。

  2. Y様

    どのお料理もとても美味しかったです。中でも白桃のカッペリーニが好きでした。桃とバラが相性バツグンでした。デザートのオレンジタルトも、中からオレンジ果肉が出てきて、甘いけれど爽やかでした。

  3. 匿名

    オリーブオイルの基礎の復習になりました。お料理の発想が素晴らしく、どれも美味しかったです。また参加させて頂きます。
    牛のタルタルとウニ、また食べたいです。桃のカッペリーニと薔薇の組み合わせが最高でした。

  4. K様

    お料理とても美味しく頂きました!テイスティング時のオイルの味と料理と合わさった時の変化はなかなか体験できないと思いました。(K様)

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